サガワ解読書其ノ肆

【今度はロックに飽きる】

知的で動くベースラインとしてはプログレは面白かったが、楽曲やメロディーの難解さに活路を見出せなかった。
さらにハードロックから続く「ロック」というジャンルに辟易している自分がいて(この頃に楽器やってます=ロッカー、ロッカーとはこうあるべき風潮に嫌気がさした)本来好きなメロディーとベースを追求してみようという事になった。

【新たなスタイルの追求、AORとの出会い】

まずはベース。
新たに”シンプル且つカッコイイ”ジャンルとして出会ったのがソウルやファンクといったブラックミュージックである(便宜上こう呼ぶが、この言い方キライ)。

きっかけはTOTOのデヴィッド・ハンゲイトだった。
彼の影響が色濃くあるので、プレイ面を掘り下げるとキャロル・ケイに習っていたり、チャック・レイニーやジャコ・パストリアスからの影響も垣間見れるではないか。

おかげでゴーストノート(ドレミ〜などの実音ではなくノリを出すためのミュート音)や裏での入り方が楽しくて仕方がなかった。

なんとダブル・ネックを使用するデヴィッド・ハンゲイト

TOTOといえば、自分がAORにドップリ浸かるきっかけとなったバンドで、時系列で追ってみてもAORが日本でブレイクするきっかけとなったグループの1つ(それまでのAORに入る人はソロが多い)に数えてもいいし、しかもそれがロックバンドでオシャレなサウンドを出すなんて考えにくかった。

AOR・・・・ここまでかなり連呼しているが、どんなサウンドかを改めて簡単に説明させて頂く。
AOR=Adult Oriented Rockの略だ。
要するに洗練された大人な音を聴かせてくれる人。

まず、大前提としてソフトロックなどにも言えることだが、明確な線引きが無いに等しい。
故に人によって多少「このバンドは入るが、こちらは入らない」などという違いは出てくる。

俺が考えるAORのサウンドとは
・サウンドがお洒落(ジャズ的なコード使いや、洗練されたサウンドプロダクション)であること
・リズムにR&Bやソウルなどブラックフィールを感じさせること
・主に1976年〜1983年の作品であることが多い
・ギターを強烈に歪ませないこと
・バンドの場合、ボーカルとバックメンバーのサウンド的なパワーバランスが50:50であること
・一聴して耳に痛くない優しさや心地良さが残るサウンド
と、いった感じだ。

ベースをプレイする以上、ファンキーなプレイが好きというのはここの影響が多分にある。
また、最後のパワーバランスについては結構重要で、ボーカルが若干奥に引っ込む(悪く言えば、個性的でなかったり、テクニック的にも巧くない)が、聴きやすい声質で後ろの楽器も目立ち過ぎないという点だ。
例を出すならば、R&Bからの影響を感じさせつつロックとブレンドしたTOTOは入るが、ジャーニーやボストンといった産業ロック系バンドは入らない、という違いか。

アダルトで洗練された、というのもまたポイント。
ギターヒーローが誕生しやすいハードロックとは真逆かな。

色々聴いて飽きてしまったのもあるが、ちょっと一捻り効いたロック、ポップスという意味でこのAORというジャンルは俺にとって重要だった。

70年代後半から80年代にかけて青春時代を過ごした方=50代以上の方が多いはずなので、どうしても同世代では話し合う人少ないのだがね、、、、。
続く→