ARETHA FRANKLIN / ARETHA

和田アキ子さんではありません。
もはや説明不要、彼女を知らずしてソウルは語れず。

女王アレサ・フランクリンが挑戦したポップス・アルバムで80年発表。
バックにはTOTOメンバーが参加していて「アレサまでまさか!?」と思わせるが・・・・。
アレサといえば圧倒的な表現力、声量=歌唱力は他の追随を許さない。
女性ソウルヴォーカリスト史上最高の位置に君臨すると言っても過言ではないぐらいのインパクトがある。(彼女とチャカ・カーンぐらいだろうか、歌唱力だけでなく、セールス面や影響力で他のヴォーカリストに比べて抜き出ているのは)
個人的にアレサのアルバムといえば、ライヴ盤とブラック色が色濃い「Young,Gifted And Black」がオススメなのだが、やはりそこはAOR的観点からの1枚となると断然この作品である。

これまでのアレサであればバックも圧倒的に黒くバネのある”濃い” リズムが特徴的で、そこに彼女のパワフルのヴォーカルが乗るものだから暑さ満点のド迫力のサウンドが売りであった。

ところがこの作品では対極にあるAOR系サウンドを目指しているのだ。
これはある意味当時の流行に乗った形となっているのだが、そこはさすが歴戦錬磨の女王、バックに埋もれることなく、しっかりと”自分”を貫き通している。
たまにバックのサウンドと共にヴォーカルスタイルまで変わってしまうアーティストもいるが、大概は今までのイメージとかけ離れるが故にファンから批判の対象となったりして迷走状態に突入してしまう例も少なくはない。

このアルバムの優れている点は、そうした”サウンド面での挑戦”をしながらもアレサの良さを残している事につきる。
この辺りはプロデューサーのアリフ・マーディンの巧さだろう。
西海岸系ミュージシャンの参加や①Come To Meを聴いて、それまでのイメージからひっくり返ったファンも多かっただろう。
しかし、次いで②Can’t Turn You Looseを持ってくる辺りに何か意図が隠されている気がする。
往年の名曲だが完全にアレサ流に料理されている。

⑥What A Fool Believesなどは、このアルバムを象徴する1曲で、なんと!マイケル・マクドナルドのカバーである。

バックはバーナード・パーディー、エド・グリーン、ジェフ・ポーカロ(Dr)、ジェイムス・ジェイムスン、スコット・エドワード、ルイス・ジョンソン、マイケル・ポーカロ(B)、コーネル・デュプリー、ポール・ジャクソンJr.、スティーブ・ルカサー(G)、リチャード・ティー、デヴィッド・フォスター、デヴィッド・ペイチ(K)その他デヴィッド・サンボーン、マイケル、ランディのブレッカー兄弟など。
東西メンバーが入り乱れた1枚、これは今では考えれないぐらい超豪華だ。

次作もこれと同じような1枚を発表。
アレサ流AC(アダルト・コンテンポラリー)アルバムが楽しめる。
89点