BILL CHAMPLIN / SINGLE

534df07a
漢字の「漢」一文字で「おとこ」
男の中の男から出て来た「漢なアルバム」を。
取り敢えずAORでは定番の髭率高し。

一見どれが誰だか分かりにくいが、真ん中に写る方こそサガワ憧れのボーカリスト、”元”シカゴのビル・チャンプリンである。
え?
ヒョウ柄の生地を持つオッサンじゃないよ。
エア・プレイ、アース・ウィンド&ファイアーでお馴染み「After The Love Is Gone」の作者の一人であり、83年にはジェイ・グレイドン、スティーブ・ルカサーと共作したジョージ・ベンソンの「Turn Your Love Around」で2度目のグラミー賞最優秀R&B楽曲賞を受賞するなど輝かしい実績を持つソウルフルなボーカリストの作品。

60年代から活動して来た自身のバンド、サンズ・オブ・チャンプリンからソロに転じた1作目にあたる。

ジェイ・グレイドンだけでなくデヴィッド・フォスターとの共作も多く(プロデュースもデヴィッド・フォスター)収録されているので元々ビルが持っているロックとR&B、ソウルフルな声質にデヴィッドのポップさが加わって先のサンズ~よりも聴きやすい作品になっている。

参加したセッションでは完全に主役を食ってしまう程のアクの強さ。
「女、子供にはこんな声は出ないぜ」と言わんばかりのアツさ。
この雄臭漂うパワー、ファンキーさがたまらない。

①What Good Is Loveからビル・チャンプリン節全快で非常にパンチが効いている。
そうかと思えば③We Both Triedでしっとりと歌い上げ(この曲のデヴィッド・ハンゲイトのベースも刺激的なフィルを披露している!)、ラストのシメに大作⑨Keys To The Kingdomを披露するなど、実に懐の深い所を示してくれる。

これだけの曲を書ける事は単なるプレイヤーとしてでなく作者としても一流である証明だと思う。
実際に、それを示すかのように収録全9曲の半分が他のアーティストにカバーされている。(余談だが83年のTurn Your~は日本の某アーティストがネタ、、、というより無断使用するという汚点を残してしまった)

このアルバムがAORファン達を始め一般的にも最高傑作とされているが、他人のプロデュースだったせいか、ご本人的には「SINGLE=ビル」のようなイメージだけで語られるのに納得がいっていない旨を語っていた。
それでも、このアルバムはビルの魅力がぎっしり詰まった作品である事は間違いない。

2009年に残念ながらシカゴを脱退してしまったビルだが、サガワ的にはサンズ~やセッション活動ばかり追っていたので正直、脱退のニュースを聞いても「やっぱりな」という印象しかなかった。
むしろ27年もの間よく、1つのバンドに留まったなという感じである。

当然ソロでも充分やっていける人なので、再結成しているサンズ・オブ・チャンプリン同様、今後の活動にさらに注目したい。
92点