BRENDA RUSSELL / TWO EYES

黒人シンガーにしては珍しいタイプのアーティスト、ブレンダ・ラッセル。
数ある作品の中でもAOR指数の高い本作をセレクト。


ブレンダの何が珍しいかというと、楽曲を自身の手で創っている、シンガー・ソングライターであるという事が第一点、もう一つは、その”声”にある。

黒人アーティストというのはバンドでない限り、所謂「歌手」として外部ライターが書いた楽曲を歌うのが一般的なのだが彼女の場合は自分で創れるのが強み。
となれば必然的に自身に一番合った曲が出来る確率も高くなるわけで、例えばキーの問題や歌っていて一番気持ちが良い所なども分かっているので、聴いているこちら側にも無理なくスムーズに耳に入ってくるのだ。

また、その生み出す楽曲のクォリティーが高い。
事実、EW&Fを始め、ルーサー・ヴァンドロスやバーブラ・ストライザンドなどにも彼女の作品はカバーされている。

2点目の声については、これはもうぜひ聴いて確かめて頂きたい。
白人ミュージシャンが声質やフィーリングという点で黒人風に聴かせる事はあるのだが、ブレンダの場合はまったく逆で黙って聴いていれば白人シンガーかと思うぐらい声そのものが綺麗なのである。

俗に言う”黒人っぽい”っていう特徴は”声質の暑苦しさ”であったり、リズムの取り方が跳ねているというか乱暴に分かりやすく言うなら”ファンキー”だったりする。
ブレンダの歌声には、そうした特徴が見られない点がポイント。

①I Want Love To Find Meではビル・ラバウンティと、続く②It’s Somethingではデヴィッド・フォスター、③Hello Peopleではマイケル・マクドナルドとの共作。

さらにアルバムタイトル曲④Two Eyesと泣きのメロディが美しい⑤Stay Closeと良質な楽曲のオンパレード。
ケチ付けたくなるような内容は一切皆無の素晴らしい作品である。

トミー・リピューマのプロデュース、アル・シュミットのレコーディングと鉄壁の裏方。
トミー・リピューマという人は本当に癒し系の聴かせる音源を創るのが上手い。

ちなみに彼女のその他の作品も本作同様にクォリティーの高い作品が揃っている。

95点