BRIAN ELLIOT / Brian Elliot


6月。すっかり雨が多くなった梅雨時期に相応しく、しっとりと優しい作品を。
シンガーソングライター、ブライアン・エリオットの唯一の作品で78年発表。


AORのマナーそのままにお馴染みの風貌、それに反した声質(この辺りは今まで散々語っているので、詳しくは過去のページをご覧下さい)。
歌はお世辞にも上手いとは言えない。
声だって飛び抜けて良いわけではない。
しかし、軽やかで包み込むようなアジのある声だと思う。

どことなくマイケル・フランクスの声質に似ているような気がする。
そんなブライアンの声にバックは、これまたお馴染みのL.A.のミュージシャンが的確にサポート。
①Let’s Just Live Togehterなんて、聴いた途端「あ、この作品はジェイ・グレイドンがギター弾いているな」と分かるぐらい(彼は必殺ワイアー・クワイアー以外にも得意としているカッティング・フレーズがある)。

ついでに他の曲ではダブル・ストップ(和音弾き)の使い方が「あ、デヴィッド・ハンゲイトも登場」と思い、確認すれば案の定。

少しマニアックな話になってしまったが、素晴らしいスタジオ・ミュージシャンというのは自分のプロジェクト以外のセッションにおいて主人公(この場合はもちろんブライアン)を支えながらも必ずどこかに自分色を”一瞬だけ”出す事が出来る。

書物の花押、手紙のサインみたいなモノだろうか。

その「サインを書く場所を間違えない所」が所謂センスなのである。
外国のミュージシャンはこの辺りが本当に巧い。

この作品の最も良い所はアップテンポで軽快なカッティングが乗る楽曲には流麗なストリングスを使い、それ以外の曲との配置バランスが絶妙な所である。
同じような形態の曲調が続くと、どうしても飽きが来るものだが、アコースティックな曲を巧みに並べている。

ブライアン自身は86年にマドンナに楽曲提供をして全米1位を獲得。
クリエイターとしても能力の高さを証明した。
ジェイ・グレイドン、リー・リトナー、ラリー・カールトン、フレッド・タケット(G)、デヴィッド・ハンゲイト、ウィルトン・フェルダー、ボブ・グラウブ(B)、ジェフ・ポーカロ、マイク・ベアード、ジェイムズ・ギャドソン(Dr)、ヴァレリー・カーター、ウォーターズ(BGV)、ヴィクター・フェルドマン(Vib) など豪華な布陣。

74点