AORを語る上で絶対外せないプロデューサー兼プレイヤーが2人いる。
一人は10回以上のグラミー賞を受賞しているキーボーディストでアレンジャーでもあるデヴィッド・フォスター。
もう一人がフォスターとコンビを組み、AORのバイブルとも言える作品をAIRPLAYで生み出した完璧主義の構築型ギタリスト、ジェイ・グレイドン。
本作はそのジェイ・グレイドンが最も初期にプロデュースした作品でかなりのレア盤。
バリー・クロッカーはオーストラリア出身で1950年代からテレビのコメンテーターや俳優、歌手として活動。
早いうちからレコーディング経験があり、1973年には同郷の大スター、オリビア・ニュートン・ジョンもバックで参加した「Susie Darlin’」でオーストラリアのチャートでのヒットを記録。
その後、オリビアのプロデューサーであるジョン・ファーラー(彼も1枚AORのアルバムがあり、以前紹介済み)経由でジェイ・グレイドンを紹介してもらったとのこと。
一方のジェイ・グレイドンも当時はセッション・ギタリストとしての忙しさがピークの時だったようで、一足先にプロデューサーとして活動開始していたデヴィッド・フォスターの影響、自身のレコーディング・スタジオを本格的に始動するのにプロデュース業を始めたようだ。
Contents
聴きどころ
①Love Isのサビからジェイ・グレイドン印とも言えるワイアー・クワイアーが炸裂。
これを聴けば、その後の期待感が高まるというものだ。
バリー・クロッカー自身は決して片手間な歌手が作ったアルバムという感じではなく、自らが曲を書き、カバーも提案。
⑥ I’d Rather Leave While I’m In Loveはクロッカー、オリビアと同じオーストラリア出身のピーター・アレンと彼とつながりが深いキャロル・ベイヤー・セイガーの共作。
⑤Sweet Alibisはセイガーとマーヴィン・ハムリッシュ作。
さらに⑦On And OnはAORのシンガーソングライター、スティーブン・ビショップの作品。
ジェイ・グレイドンからはデモ・トラックを集めたアルバム『PAST TO PRESENT – THE 70S 』にも収録されていた②Throw A Little Bit Of Love My Wayと③Moonbeamsを提供。
特にThrow A Little Bit Of Love My Wayはデヴィッド・フォスターとハリー・ガーフィールドと共作しておりPAST TO〜のヴァージョンと、スティーヴィー・ウッズもカヴァーしているので、それぞれ比較して聴いてみてもおもしろい。
全編に渡ってジェイ・グレイドンのギター・ワークが楽しめる作品になっているので、彼のギターが好きな方は買って損はない。
グレッグ・マティソン(K)、カルロス・ヴェガ(Dr)、デイヴ・マクダニエル、マイク・ポーカロ(B)、スティーヴ・フォアマン(Per)等が参加。
88点
データ
1977年:オーストラリア(Astor – ALPS-1055)
プロデューサー:ジェイ・グレイドン
1. Love Is
2. Throw A Little Bit Of Love My Way
3. Moonbeams
4. Lady Of The Night
5. Sweet Alibis
6. I’d Rather Leave While I’m In Love
7. On And On
8. No Regrets
9. If I’d Only Known
10. Be Good To You
11. The Grass Was Always Greener
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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