AORの王道、ボズ・スキャッグス。
76年発表の本作は色々な意味でAORを「象徴」する作品となった。
76年発表の本作は色々な意味でAORを「象徴」する作品となった。
その理由は、まずこのブログ・キーワードである「AORとは?」という所を語らなければならない。
Contents
AORとは
そもそも「AOR」とは明確な決まりがないジャンルである。
しかし、ここで取り上げる、私が考える”ある程度の基準を満たしているもの”をAORと呼ぶ事にしたい。
・Voを含めたサウンド全体がソフィスティケイトされている事
非常に抽象的だが一聴して「美しい」「爽やか」とか「心地良い」印象を与えてくれるもの。
・Voとバックの演奏陣、どちらも同じぐらいの割合で主張しているもの
普通”歌手”が歌うポップスならその割合は7:3か8:2ぐらいで歌を前に出すだろうし、ヘヴィメタルのようなジャンルなら4:6ぐらいで演奏重視になると思う。リフが格好いいとかソロがテクニカルで目立つとか。
某大物評論家の方も本で書かれていたが、AORの場合はそれが5:5ぐらいでバックも”歌の邪魔をしない程度に”(←めちゃくちゃ重要)主張しているのである。
故に「誰が演奏しているか」という事も重要になってくる。
・16ビートが主体である事
・ジャケットなども含めアルバム全体がお洒落、スマート(気取っているが嫌みのないという)である事
これら全てを踏まえたものが本作なのである。
まず、ジャケットで分かるようにボズ自身がダンディズムの塊のような雰囲気が出ている。
モシャ・ブラカによる何やら意味深なデザイン。右側に少し写る女性の左手は何を意味しているのか?
ジャケット自体もコンセプトの1つになっているのである。
そして、この作品には後に結成されるTOTOのメンバーが全曲参加しており、中でもデヴィッド・ペイチはコンポーザーとして重要な役割を担っている。
聴きどころ
肝心のサウンドだが、実にバラエティに富んでいるものになっている。
スライド・ギターが格好いいロックンロール・ブギー③Jump Street、サンプル・ネタとしても有名でR&B5位を記録した⑥Lowdown、日本でヒットしたラストを飾る名バラード⑩We’re All Alone。
個人的にオススメしたいのは⑤Harbor Lights。
この曲のベース、頭脳的ダブルストップの名手デヴィッド・ハンゲイトには度肝を抜かれた。
楽器に詳しくない方でも分かりそうなぐらい、ベースが印象的で美しいのだ。
そんなこのアルバム、もし「AORってどんなサウンド?」と言われたら、迷わずに差し出すであろう1枚である。
100点
データ
1976年:アメリカ(Columbia – PC 33920)
プロデューサー:ジョー・ウィザート
1. What Can I Say
2. Georgia
3. Jump Street
4. What Do You Want The Girl To Do
5. Harbor Lights
6. Lowdown
7. It’s Over
8. Love Me Tomorrow
9. Lido Shuffle
10. We’re All Alone
2. Georgia
3. Jump Street
4. What Do You Want The Girl To Do
5. Harbor Lights
6. Lowdown
7. It’s Over
8. Love Me Tomorrow
9. Lido Shuffle
10. We’re All Alone
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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