1950年代から活躍するポップ・シンガー、ジョニー・マティスとキュートな歌声でリスナーを魅了するデニース・ウィリアムスによるデュエット・アルバム。
1978年発表で、一般的なジャンルでは「ソウル」になると思うが、お互いの声質、歌い回しからもポップス・ファンにアピール作品であると言える。
1958年にリリースしたベスト・アルバムが約10年の期間アルバムチャートインするという驚異的な記録を持つマティスは国民的シンガーといっても差し支えないほどの存在で「ロマンティック」という言葉がよく似合う王道のMORシンガーだ。
そういう意味ではエンゲルベルト・フンパーディンクと近い存在と言える。
AOR的観点からだとジェイ・グレイドンがプロデュースしたディオンヌ・ワーウィック『Friends In Love』収録のタイトル曲「Friends in Love」でデュエットしている。
この曲はグレイドンの他、デヴィッド・フォスター、ビル・チャンプリンという、聞く人が聞けば手を出さずに入られない、AORトップ・ミュージシャン達による素晴らしい楽曲なので未聴の方はぜひ。
この人の凄いところはデビュー以来作品をコンスタントに発表し続けているところであり、スタジオ・アルバム数は70を超え、近年こそ若干発表ペースは落ちていたが、それでも相変わらずの歌声を聴かせてくれていた。
だからこそ2025年に入っての「引退」は残園だが、彼の作品が決して色褪せることなく、AORやMORファンには特に70〜80年代の作品は必聴。
一方、スティーヴィー・ワンダーのバック・グラウンド・ヴォーカル・チーム「ワンダーラブ」出身であるデニース・ウィリアムスはソウル・ファン以上にAORファンにはお馴染みの存在。
特にアース・ウィンド&ファイアーの総帥モーリス・ホワイトが深く関わるようになってデヴィッド・フォスターと当時スタジオで大活躍していたTOTOメンバー等、白人ミュージシャンを多く起用した『When Love Comes Calling』が発表されるのは本作発表の翌年。
女性ソウル系AORとしては最高峰にあると言っても過言ではないこの作品も万が一、未聴の方がいたら今直ぐの入手をオススメする。
そんな2人ががっぷり四つに組んだ本作、悪いはずがない。
デュエット作品としても高いレベルにあることは全曲を聴けば納得。
トップ・リコメンドがない分、全てが高水準で捨て曲一切なし。
声質が全く違う2人だからこそ、ユニゾンやハモった時の面白さも存分に味わえる。
演奏を楽しみたい方には、豪華すぎるクレジットを参考にどうぞ。
エド・グリーン、マイク・ベアード(Dr)、リー・スクラー、スコット・エドワーズ(B)、デヴィッド・T・ウォーカー、リー・リトナー、スティーヴ・ルカサー、ワーワー・ワトソン、グレッグ・フィリンゲインズ(K)、スティーヴィー・ワンダー(Harmo)、アーニー・ワッツ(T.Sax)、パウリーニョ・ダ・コスタ(Per)等。
87点
データ
1978年:アメリカ(Columbia – JC 35435)
プロデューサー:ジャック・ゴールド
1. You’re All I Need To Get By
2. Until You Come Back To Me (That’s What I’m Gonna Do)
3. You’re A Special Part Of My Life
4. Ready Or Not
5. Me For You, You For Me
6. Your Precious Love
7. Just The Way You Are
8. That’s What Friends Are For
9. I Just Can’t Get Over You
10. Touching Me With Love
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
ナイフラOfficial HP
ナイフラOfficial YouTubeチャンネル「ナイフラチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCVvv50yl3k3DlGSu4x4U7Zg
ナイフラOfficial X https://x.com/the_night_flyer
サガワトモユキOfficial Instagram https://www.instagram.com/the_night_flyer_60s/
毎回ナイフラの最新情報が届くメルマガ登録、ライブチケット予約、お問い合わせ、メンバーへの質問コーナー「ナイフラQ」もこちらへ↓
コメント