泣く子も黙るカントリー界の超大物ギタリスト、85年作。
プロデュースはチェットの以前から大ファンであったデヴィッド・ハンゲイト。
もちろん、全曲ベースを担当。となれば聴き逃すわけにはゆくまい・・・。
Contents
ストーリー
と、あくまでそれはきっかけに過ぎないのだが、チェット・アトキンスといえば、あのジェフ・ベックにも影響を与え、カントリー界を代表する、いやギタリストならば、ロック界で言うレス・ポール並に知っていて当たり前の御仁である。
そんなカントリーギタリストが本作を発表した80年代は、まさにフュージョン・ブーム真っ只中。
本作は時代の波に吸い寄せられるかのような爽やかな内容となった。
楽曲毎にチェットとゲスト・ミュージシャンと共演、差詰めギターを習いに来た生徒達が先生の前でのびのびとプレイ、そのうち火が点いてしまった先生自ら熱く弾きだしているかのようなコラボ作品となっている。
生徒達の顔触れはラリー・カールトンを始めとしてジョージ・ベンソン、マーク・ノップラー、アール・クルー、ディーン・パークス、スティーヴ・ルカサーなどといった面々でドラムにはジェフ・ポーカロも参加。
聴きどころ
名前を見ただけで一流ギタリストだと分かるメンバー達だが、それでも御大は軽くいなすかのように、ギターで語りかける。
ジョージ・ベンソンとのセッションはギターで文字通り会話しているようだし、ルークはどこへ出ても相変わらずのやんちゃ坊主ぶりで御大に挑む。
こうして生まれた結果、チェット=カントリーギターのイメージを覆すかのような心地良いフュージョン・アルバムに仕上がった。
カントリーというだけで敬遠してしまいそうな人は、ぜひ本作から入ると良いだろう。
また、ギタリストの為のアルバムとも言えるので、まだチェット・アトキンスを知らない人は聴いて損はない作品。
アートワークはAOR同様日本盤仕様を採用したが、サウンドのイメージからしても変更して成功の例と言える。(ただし、アーバン・オアシスという邦題には苦笑だが)
スムース・ジャズ、メロウなサマー・フュージョン・アルバムの決定盤。
チェット・アトキンスのテクニック、才能を堪能せよ!
82点
データ
1985年:アメリカ(Columbia – FC 39591)
プロデューサー:デヴィッド・ハンゲイト
1. Sunrise
2. Please Stay Tuned
3. Quiet Eyes
4. A Mouse In The House
5. Some Leather And Lace
6. The Cricket Ballet
7. Cosmic Square Dance
8. The Boot And The Stone
9. Tap Room 4:08
10. If I Should Lose You
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