ロジャー・ニコルスの「Roger Nichols and the Small Circle of Friends」と並ぶソフト・ロックの大名盤。
1968年発表の1stアルバムである。
Contents
ストーリー
プロデュースはカート・ベッチャーに若き日のキース・オルセン(後にホワイトスネイク、ジャーニー、ハート、フォリナーなど主に70〜80年代に活躍したプロデューサー)という共同プロデュース。
メンバーは天才カート・ベッチャーを筆頭にリー・マロリー、サンディ・サルスベリー、マイケル・フェネリー、ジョーイ・スティック、ダグ・ローズ、ロン・エドガーという大所帯バンド。
なにせロック史上最初期とも言われている16トラックを用いたレコーディングを敢行した作品で、予算も最大級であっただろうことは容易に想像出来る。
なんでも録音期間に約1年、費用は10万ドル(当時のレートだと360円)かけたのだとか。
過剰なまでのサウンドプロダクションはAORで言うところのスティーリー・ダンそのものである。
楽曲の質、録音技術と当時最高峰であるが、セールス面が追いつかず。
サイケデリックなサウンドとキャッチーさに若干欠けるような展開が多い所が一般リスナーにも伝わりにくかった要因か。
そういう意味ではプログレッシヴ・ロックにも近い印象。
あまりにも革新的な作品で、当時所属していたコロンビアのセールスする方もどう扱って良いか分からなかったらしいので、プロモーション不足も大きかったようだ。
聴きどころ
この作品はアルバム全体で作品として成り立っている要素が大きいのでトータルで聴いて頂きたい。
リー・マロリー、サンディ・サリスベリーも良い曲を書くが、ボーカルから作曲、アレンジ、プロデュースとカート・ベッチャーの貢献度があまりにもズバ抜けている。
その真骨頂は彼の生み出すコーラスワークで、複雑ながらも互いの音がぶつからず、立体的で美しいラインを書ける人はなかなかいない。
まさに天才という言葉は彼の為にあるような仕事ぶりだ。
私が思う「ドリーミー」とは天使の声と形容された彼の声がにあるような気がする。
主観だが瞬間風速なら、あのブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズ)を超えていると思う。
残念ながらカート自身は87年に亡くなってしまい、晩年にはなぜかディスコに傾倒していくのでイメージがガラリと変わってしまうのだが・・・・。
また、未発表曲などを集めて続編的なものもリリースされているが、ミレニウムとしては実質この1枚のみの作品だと思った方が良い。
彼の仕事ぶりを他にも堪能出来る前身グループ、サジタリアスやボールルームもチェックすることをお勧めしたい。
94点
データ
1968年:アメリカ(Columbia – CS 9663)
プロデューサー:キース・オルセン、カート・ベッチャー
1. Prelude
2. To Claudia On Thursday
3. I Just Want To Be Your Friend
4. 5 A.M.
5. I’m With You
6. The Island
7. Sing To Me
8. It’s You
9. Some Sunny Day
10. It Won’t Always Be The Same
11. The Know It All
12. Karmic Dream Sequence #1
13. There Is Nothing More To Say
14. Anthem (Begin)
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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