サガワお気に入りシティ・ポップス・アーティスト、流線形に勝るとも劣らないサノトモミさんの1stアルバム。
流線形のクニモンド瀧口さんがアレンジに加わっている為、似ている雰囲気は当たり前と言えば当たり前だが・・・・
Contents
サウンドについて
肩に力が全く入っていない(脱力系のように気怠い感じとは違う)ヴォーカル・スタイルは「熱い込み上げ系」を期待してしまうと物足りなさを感じてしまうかも知れないが、バックのオケに良く溶け込んでおり個人的には「あり」なスタイルだ。
影響を受けたアーティストとして荒井由実さん(松任谷でない所がポイント)、大貫妙子さんなどの名前が挙がっていたが、その時代をリアルタイムで過ごしてきた方やファンの方は納得して頂けるのではないのだろうか。
まさに「シティ・ポップス」という言葉が生まれるきっかけを作ったアーティスト達の楽曲に”雰囲気”がよく似ている。
楽曲は新しいのに、どこか70年代の懐かしい匂いを感じてしまう。
歌謡曲風のストリングスが鳴っているわりにはエレピやソウルフルなギター、グルーヴィーなベースがかなりお洒落。
この「お洒落さ」がシティ・ポップスを語る上で一番重要だと思う。
こうなるとフラットな歌唱法が「無機質」というより俄然「クール」とポジティヴな印象になるから不思議だ。
AORとの共通点としてヴォーカルとバックの演奏の力関係が50:50という部分もあるが、どのパートも「俺が!俺が!」と前面に出ず、歌の邪魔をしない且つ、さり気ないセンスに一番シンパシーを感じている。
この路線で次が出たら、そりゃあ姉さん事件です。
90点
データ
2005年:日本(April Records – ALCP2006)
プロデューサー:林有三
1. Six
2. ラストサマー
3. サイレント・フライト
4. ビオトープ
5. 追憶の鏡
6. 明星
7. スィートバレイ
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