誰もが知っている伝説のスーパー・アイドル山口百恵さんの海外録音制作盤。
パッと見でその辺のAORに紛れ込んでいても区別が付かない美しいジャケットが印象的だ。
Contents
聴きどころ
なにせマニアックな盤なので初めて見つけた時は結構嬉しかった。
改めて百恵さんの魅力をダラダラ語っても仕方ないし、私よりも、もっともっと思い入れもある熱狂的なファンが未だ多く存在する本当の意味でのスーパースターである。
一言だけ言わせて頂くならば、低音が魅力的で歌唱力においても当時としては珍しい”実力派”アイドルであったということだ。
79年発表の本作は通算2作目の海外レコーディングで、ミュージシャンも基本的には現地のプレイヤーを起用。
その総指揮を務めたのがメリサ・マンチェスターやダイアナ・ロスも手掛けるバリー・ファスマンである。
おかげでサウンドが日本独特の「歌謡曲」ではない、AOR風に仕上げられている。
①GET FREEは来生たかお、来生えつこ姉弟によるモダン・ポップス。
②喪服さがしは純和風なタイトルが付けられているが、それを覆すような職人アーニー・ワッツによる官能的サックス・ソロ。
どんなタイプの曲でもムーディーにまとめてくるハイ・センスな仕事ぶりに、ただただ驚くばかりだ。
その他、⑦BACK TO BACKには浜田省吾が⑧猫が見ているには芳野藤丸が楽曲提供するなど、なかなかバラエティに富んでいる。
そしてそれらの楽曲を歌いこなす懐の深さは、さすが単なるアイドルではない事を実感。
途中、若干ミスマッチかと思える曲もあるが、基本的に山口百恵=歌謡曲と思っているファンの方こそ、改めて聴いて頂きたい作品でもある。
サウンドに癒しを求めている方はぜひどうぞ。
66点
データ
1979年:日本(CBS/Sony – 25AH 769)
プロデューサー:川瀬泰雄
1. Get Free
2. 喪服さがし
3. A Gold Needle And Silver Thread
4. タイトスカート
5. Cry For Me
6. センチメンタル・ハリケーン
7. Back To Back (背中あわせ)
8. 猫が見ている
9. Wind & Window
10. Dancin’ In The Rain
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