ショービズ界のスーパースター、MOR界の貴公子と名付けたくなるバリー・マニロウによるAOR純度が高い79年作品。
「Mandy(哀しみのマンディ)」「I Write the Songs(歌の贈りもの)」といったヒット曲やカーペンターズもカヴァーしたデヴィッド・ポメランツ作「Tryin’ to Get the Feeling Again」をリリースした70年代からが全盛期と言ってもいいだろう。
アイドル然としたブロンドヘアーに鼻が高く端正な顔立ちの如何にも「ハンサム」な姿に虜になったレディーも多いことだろう。
バリー・マニロウほど人によって異なるイメージを持つシンガーも珍しい。
スタンダード・ナンバーからバラード、ロック、当時流行ったディスコ・ソングまで歌いこなせるという器用さもあり、その上優れた曲も書けるシンガーソングライターなのに決してそこに固執する事なく、外部ライターの曲でも積極的に取り入れるなど幅広い視野とそれに対応出来るスタンスの持ち主である。
マイケル・ボディッカー(K)、ジム・ホーン(Sax)、エド・グリーン、ジム・ゴードン(Dr)、ウィル・リー、デヴィッド・ハンゲイト(B)等、一流ミュージシャンが参加しているがバックの力に頼るような曲は少なく、主役であるバリー・マニロウの存在感の大きさを感じさせる。
そういう意味では他のソロ名義であるAORヴォーカリスト比べて、バック・ミュージシャンより立ち位置は前にいるので「歌手」に近いかも知れない。
Contents
トップ・リコメンド
シングル・カットされた④Shipを聴けば納得。
歌い上げ系バラード曲がよく似合うが、この曲の作者はなんとイアン・ハンター(Mott The Hoople)という点も注目すべきところだろう。
イギリスのロック・ミュージシャンとアメリカの色男との組み合わせ。
一体どこに接点があるのか・・・などと考えたくなるが、イアン・ハンター自身の父親との関係性を題材にしたと言われるこの曲は、言われなければカバーとは気づかないかも知れない。
そのぐらいバリー・マニロウ色として馴染んでいると思う。
その他、アルバムタイトル曲である①One Voiceを聴いていただきたい。
深みのある声をいくつも重ねたハーモニーは美しく、ここまでアカペラで聴かせられるシンガーは数多くない。
個人的には”夜”を感じるサウンドプロダクションの③Rainや、色気のある歌声を存分に堪能出来るミディアム・チューン⑥I Don’t Want To Walk Without Youをオススメしたい。
プロデューサーのロン・ダンテはマニロウのデビュー時から80年代までを支えた右腕とも言える存在だが、AORというよりソフト・ロック界隈で有名。
これだけのキャリアがありながら、未だ現役、コンスタントにアルバムも発表するなど変わらず精力的な活動を続けていることに脱帽。
82点
データ
1979年:アメリカ(Arista – AL 9505)
プロデューサー:ロン・ダンテ
1. One Voice
2. (Why Don’t We Try) A Slow Dance
3. Rain
4. Ships
5. You Could Show Me
6. I Don’t Want To Walk Without You
7. Who’s Been Sleeping In My Bed
8. Where Are They Now
9. Bobbie Lee (What’s The Difference, I Gotta Live)
10. When I Wanted You
11. Sunday Father
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