誰もが知る「イイ曲、イイ歌」を提供するカーペンターズの４ｔｈアルバム。
この際セールス面と知名度は置いておき、数ある作品の中から本作を最初に選んだ理由はレオン・ラッセルが書いたアルバム・タイトル曲で幕を開けて締めるという統一感と各楽曲のクオリティ、曲の配置順、などを考えると作品としてのパフォーマンスがピークに達したのが本作だと思うからである。
Contents
聴きどころ
ポップスとは何か、歌モノとは何か、その答えがカーペンターズのアルバムには全て集約されている。
楽曲自体があまりにも有名曲が多いため、学校教材で取り上げられたり、子供向け番組に取り上げられるなど”軟弱な音楽”扱いされた「MOR」だが、裏を返せば万人に受け入れられ、また、ある意味ロックが持つ攻撃性とは無縁のようだが出てくるサウンドは意外にもロックだというところもポイントである。
キックとベースは重く、ヘヴィ。
ヴォーカリストよりも心底ドラマーになりたいと思っていたカレンが叩くドラム(ハル・ブレインと分け合っている)のプレイは手数がやたら多い。
極めつけは当時驚きと賛否両論があったというファズを通してギンギンに歪ませたギター・ソロをバラードに取り入れるなど、現在では当たり前になったパワー・バラードをいち早く披露。
カーペンターズの場合、グレイテスト・ヒッツを作ってもその半分ぐらいが他人の提供作品という事を知ると驚きと共にリチャード・カーペンターがプロデューサー、アレンジャーとして如何に目が利く人かが分かる。
その理由は「カレンの声に合った楽曲」を常に探し続け、新旧問わずに良いと思った曲はすぐにカバー、まるで最初から自分達の楽曲であったかのようにアレンジする能力、先を読む嗅覚が陳腐な表現を使いたくないが本当に「天才的」なのだ。
2000年をとうの昔に過ぎた現在、カレン・カーペンターという世界中を見渡しても唯一無二のヴォーカリストがいることでプレイヤー、アレンジャー、プロデューサーとして並みのミュージシャンよりも遙かに優れた実力の持ち主にも関わらず、スポットがイマイチ当たらない所が実に惜しい(今でも評価されているとは思うが、その実力を考慮すると今以上の評価であっても良いと思う)。
発売から４０年以上経った今でも普通に聴けて、しかも古臭さを全く感じさせないというのは名曲や名作を語る上での必須条件だと私は思っている。
トラック・リストをご覧いただければ敢えてトップ・リコメンドを挙げる必要はないだろう。
１９６９年の『Offering』でデビュー以来、７０年の２ｎｄ『Close To You』から次作『Now & Then』まで総じて９０点を超えるオススメ度だと断言したい。
ちなみにグレイテスト・ヒッツ、ベスト盤に入る楽曲がどの作品にもバランス良く散りばめられているので(ということは数年に渡って今となっては有名曲を生み続けた)、購入して損はないだろう。
９６点
データ
１９７２年：アメリカ(A&M Records – SP 3511)
プロデューサー：ジャック・ドハーティ
1. A Song For You
2. Top Of The World
3. Hurting Each Other
4. It’s Going To Take Some Time
5. Goodbye To Love
6. Intermission
7. Bless The Beasts And Children
8. Flat Baroque
9. Piano Picker
10. I Won’t Last A Day Without You
11. Crystal Lullaby
12. Road Ode
13. A Song For You (Reprise)
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称：ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。６０’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る！！
ナイフラOfficial HP
ナイフラOfficial YouTubeチャンネル「ナイフラチャンネル」
ナイフラOfficial twitter https://twitter.com/the_night_flyer
ナイフラOfficial Blog http://ameblo.jp/thenightflyer/
ナイフラOfficial Instagram https://www.instagram.com/the_night_flyer_60s/
毎回ナイフラの最新情報が届くメルマガ登録、ライブチケット予約、お問い合わせ、メンバーへの質問コーナー「ナイフラQ」もこちらへ↓
コメント