もはや説明不要、モータウンを代表する文字通りトップ・シンガーとして君臨していた男女が夢の共演。
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聴きどころ
まるで格闘技を見ているかの様なスリリングな雰囲気に息つく暇がない程だ。(実際の関係性もスリリングだった様だが)
当時のモータウンを代表するシンガー=アメリカを代表するシンガーと言っても過言ではないと思うし、実際にマーヴィンにしてもダイアナ・ロスにしてもモータウンというレーベルから寵愛を受けていた。
ダイアナの方はスプリームズからの脱退、マーヴィンは実の父に殺されてしまうわけだが、本作を発表した73年は2人とも全盛期を迎えた文字通り脂が乗りきった時期。
そんな2人の旬を逃すまいとして(この辺りがいかにもモータウンらしい)デュエット・アルバムを企画。
プロデュースにはハル・デイヴィス、アシュフォード&シンプソン、さらには総帥ベリー・ゴーディ・ジュニアなどが担当。
マーヴィン・ゲイと言えばソウルのバイブルである『WHAT’S GOING ON』をきっかけに『LET’S GET IN ON』、AOR/ソウル界隈でお馴染みリオン・ウェア絡みの『I WANT YOU』を制作。
一方スプリームズの中でも取り分けダイアナはベリー・ゴーディから目をかけられて売り出された事により他のスプリームズのメンバーはもとより、ベリー・ゴーディの義弟でもあるマーヴィンにも妬まれてしまう。
またマーヴィンの場合は本作より以前に成功を収めたタミー・テレルとのデュエット・アルバムが常に脳裏に焼き付いてた。
片思いの相手でもあるタミーの死をきっかけにデュエット・アルバムの制作は打ち止めしたはずだったが、ベリー・ゴーディの説得により本作の制作を承諾。
そんな経緯がありながらも、いざスタジオに入るとさらなる問題が勃発した。
当時のダイアナは妊娠中で非常にナーバスになっている状態。
そんな中でマーヴィンが酒やタバコ、マリファナを使用した事により、ダイアナは共にスタジオ入りする事を拒否したという。
結果的にデュエットと言いながらも実際には別々に歌入れが行われた。
冒頭でスリリングな展開と書いたのは、こういった雰囲気が滲み出ているからである。
お互いにがっぷり四つで組むどころか、主張で火花が散っているかの様な印象を受ける。
揃えた楽曲自体にもう少し佳曲が揃えば、大名盤になっていただろう。
このアルバムは理屈じゃない、ソウル・ミュージック本来の持ち味である魂の叫びという部分を2人から垣間見た気がする。
89点
データ
1981年:アメリカ(Motown – M5-124V1)
プロデューサー:ハル・デイヴィス、アシュフォード&シンプソン、ベリー・ゴーディ・ジュニア
1. You Are Everything 3:10
2. Love Twins 3:28
3. Don’t Knock My Love 2:20
4. You’re A Special Part Of Me
5. Pledging My Love
6. Just Say, Just Say
7. Stop, Look, Listen (To Your Heart)
8. I’m Falling In Love With You
9. My Mistake (Was To Love You) 2:55
10. Include Me In Your Life
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