JAY GRAYDON / Past to Present 70’s

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デヴィッド・フォスターと並びAOR界の2大プロデューサーであり、伝説のバンド、エアプレイを組んでいたジェイ・グレイドン。
ギタリストとしてもAOR界最重要人物である事に異論を唱える方は少ないであろう。

聴きどころ

本作はジェイ大先生が出したオムニバス形式のトラック集。
簡単に言えば、自身が携わった70年代のレコーディングに限定し、アナログ・テープからデジタル化した曲を集めたアルバムである。
エアプレイというバンドは今更説明する必要が無いぐらい実際のセールス以上に影響力を与えてくれた(特に、この日本では)。
そのエアプレイに収録されている曲の完成に至る前のデモ(セッションに参加する前のミュージシャンに渡したり、音源をプロモーションする際に必要な名刺代わりにする曲)や、プロデューサーとして参加したアーティストのデモが聴けるのだ。

歴史的資料価値は計り知れないものがあり、彼のサウンドや盟友フォスターとの曲作りの仕方などを紐解く鍵になりそうなのは間違いない、まさにファンに向けたファンの為のスペシャルな音源だと言っても良いだろう。
さらに特筆すべきはライナーの内容にも表れていて、何とグレイドン自身が1曲ごとに録音スタジオや参加メンバー、さらには何の機材を使って、どのように録ったかなどを事細かに書いているのだ。
つまり、ライナーを見ながら曲を聴けば、その曲が出来上がるまでの工程が理解出来る仕組みになっている。

内容はある程度機材や録音に関する知識が無いと理解出来ないのだが、アーティスト自らが通常の3,4倍の量であるライナー(というより録音解説)を書くという事は画期的であり、ファンにはこれ以上ない贈り物だろう。
(サガワ的にはドンズバで為になった内容でした)

サウンドについて

一方で、この音源がファンに向けての物であるが故にクオリティーだけを見てしまうと、どうしても本来の完成度よりは劣る事も指摘せねばならないだろう。
そこが”デモ”たる所以で、本来ならば世に出るような物でないので、そういった意味での批判というのは理解出来なくもない。
ただ、勘違いしないで頂きたいのは、それでも商品として”聴けるレベル”まで仕上がっている事である。
もちろん、その為の楽曲が元々良かったのは言うまでもないが、エンジニアとしてのジェイ・グレイドンの才能も発揮されているという事だ。
この辺りの苦労話も全てライナーに記載されているので、ただ読むだけでも結構面白いと思う。

竹内まりやさんのアルバムに使われている楽曲は元々こうだったとか、誰々のレコーディングに提供したが結局リリースされなかったなど、興味深い話も出てきたりもする。

参加メンバー

エアプレイは当然として、TOTOメンバー、ビル・チャンプリン、ジェイ・P・モーガン、タタ・ヴェガ、マーク・ジョーダン、エド・ホワイティングなどに興味がある方は聴いて損はない。

あくまでもデモ集なので採点無し。
しかし、普通にこんな楽曲ばかり並んでいたら、間違いなく90点以上を付けているだろう。

データ

2006年:アメリカ(Sonic Thrust Records ‎– STRCD-008)

プロデューサー:ジェイ・グレイドン

1. If There’s A Way
2. What Good Is Love
3. You Can Count On Me
4. You’re My Day
5. Should We Carry On
6. Secret Love
7. She Waits For Me
8. Throw A Little Bit Of Love My Way
9. I Fall In Love Every Day
10. Love Flows
11. Love Flows – Melody Guide Version
12. Ted’s Theme #2 – Without Ted’s Rap
13. Ted’s Theme #2 – With Ted’s Rap
14. Ted’s Theme #1
15. Ted’s Theme #1 – With Ted’s Rap
16. Ted’s Theme #1 – Only The Tail Of Ted’s Rap
17. Sony Jingle
18. If There’s A Way – Instrumental Track
19. What Good Is Love – Instrumental Track
20. It’s Right To Be In Love

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