AOR、ソウル・ファンならば「TK」と聞けば直ぐにマイアミ・ソウルのレーベルと反応してしまうだろう。
ブラック・ミュージック特有の熱さと土地柄なのかリゾート・ミュージックのような爽やかさを併せ持つライトなソウル・サウンドはAORファンが歓喜する要素が存分に詰まっている。
広大なアメリカの土地の中でもマイアミという都市は元々アフリカや中南米系の人種も非常に多く、音楽的要素も当然色濃く反映されていて、パーカッションを多用したり、リズムが鈍(なま)るアフロ・キューバン音楽(サルサ、マンボ、カリプソ、ルンバ、チャチャチャなど)がブレンドされて「マイアミ・ソウル」として名高い。
本作は多数のサブ・レーベルを抱えていたT.K.レコード、クラウズよりリリース。
マイアミのAORといえば真っ先にアーバンAORの最高峰作品をリリースしたナイト・フライトとボズ・スキャッグスと共に「キング・オブ・AOR」と称されるボビー・コールドウェルが挙げられる。
特にボビー・コールドウェルに関しては、このフレディ・ヘンリーと同レーベル。
デビュー時に黒人だと思われていたボビーのように、白人が歌うソウル・ミュージック=ブルー・アイド・ソウルのアルバムとして知る人ぞ知る存在だった。
フレッド・ヘンリー、本名をフレッド・ブリファードというが、本名で活動していたバンド時代にウェスト・コースト・サウンド火付け役”あの”アサイラム・レーベルから作品を発表している。
プロデュースは元ブラッド・スウェット・ティアーズ、ソロ作でも有名になったシンガー・ソングライターのアル・クーパーがギターからオルガンまで全面的にバックアップ。
Contents
トップ・リコメンド
特にAORファンにオススメしたいのはアルバム・タイトル曲の②The Love We Hadや⑥Get It out in the Open。
共にストリングスやブ厚いバックグラウンド・ヴォーカルが特徴のミディアム・ナンバー。
その他、トピックとしてはラストを飾る⑨Eleyneに注目。
この曲はビル・チャンプリンが発表した1st『SINGLE』に収録されていた楽曲で、歌い回しもビルに似せているような・・・。
『SINGLE』といえばジェイ・グレイドン絡みの「What Good Is Love」や名バラード「We Both Tried」あたりを取り上げそうだが、この曲をセレクトしたところ、目の付け所がすごい。
渋みのあるヘンリーの歌声は、それこそビル・チャンプリンに近い系統。
サウンドの割に純度100%ソフィスティケイトされたサウンドではない要因は、このあたりの泥臭さを感じるからだろう。
元ドゥービー・ブラザーズのジェフ・バクスターやデュエットにバックグラウンド・ヴォーカルに大活躍するマイアミ・ソウルの歌姫ベティ・ライトの参加も見逃せない。
本作のみで活動が終わってしまったのは実に惜しい。
80点
データ
1979年:アメリカ(Clouds – CL-8809)
プロデューサー:アル・クーパー
1. I Can’t Quit Your Love
2. The Love We Had (Stays On My Mind)
3. Tell Her
4. Tryin’ To Live My Life Without You
5. I Die A Little Each Day
6. Get It Out In The Open
7. San Diego Serenade
8. Love Stop
9. Elayne
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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