具島直子/miss.G

ウェットでメロウな癒し系シンガーソングライター、具島直子のデビュー作で96年発表。

今から20年以上も前の作品だなんて信じられないぐらい現在でも十分通用するサウンドである。

その理由は楽曲の質という根幹がしっかり出来上がっている事に他ならない。

初めて聴いた時のインパクトたるや衝撃的であった。

具島さんのヴォーカルが非常に”ウエット”なのだ。

正直に言うと好みがハッキリ分かれると思う。

歌声はとてもナチュラルなスタイルでどこまでも透明感がある。

伝えたい事を決してガナったり、力が入ったりもせず、背伸びをするわけでもなく自然体そのもの。

その声質に深いリバーヴ処理が合っているのだ。

ともすれば、淡々と歌っている印象しか与えないかも知れないが、ハマったら最後、クセになる魅力を持っていると思う。

何枚か作品を発表しているが、彼女のアルバムの場合、一番聴かせたい曲をトップに持ってくる傾向が強く、本作でも①MelodyでAORファンのハートをガッチリ掴んだ。

90年代に入ってから、良作がめっきり減ってしまった感のあるジャンルにおいて、本作の登場は明るい光だったに違いない。

ソウルではお馴染みのリズムを使った②Candyと、鮮やかなワンツーでKO間違いなし。

両方ともギターのカッティングの美味しさにニヤリとさせられる。

彼女のテンションに合わせたかのようにバックも大人な演奏。

それでいて、このように美味しい部分もしっかり抑えているのだがからサガワ的には脱帽です。

隠れた名盤扱いされるのも納得。

何より自身で作詞・作曲をしている所も高評価に繋がる要因だろう。

自分の持っている世界観や言葉とサウンドをすごく大事にしているというのが、聴いていれば伝わってくる。

最近はそういった音楽が以前にも増して少なくなってしまったので、今でも愛聴盤の1枚。

なお、同じ写真・デザインのベストが発売されているが、この1st、中古CD屋などで見つけたらゲットして頂きたい。

女性ヴォーカルファンも必聴すべき、優しい作品。

91点