MECCA / Mecca


無性に激しいロックが聴きたくなる事がある。
音楽とは不思議なモノで、その時の気分さえも左右しかねない力がある。
AORを聴きたいけど、少しロックしているものがいいかななんていう曖昧な時に聴きそうな1枚。

ただ、内容の方はAORとロックの非常に微妙な位置にある。
サガワ的にはハッキリとAORではないと言い切ってしまうが、それでも参加しているメンバーによってはあくまでも”広義”的な意味合いでのAORという事になるだろう。
余談になるが最近、店によってはメロディアス・ハード・ロック(メタル)・・・下手すりゃ産業ロック勢も、なぜかAORというカテゴリーに入れられる事が多いので、より曖昧になっているのが現状。
このバンドもメタル系では有名な「アヴァロン・レーベル」からのリリースである。

で、前置きが長くなったが、このメッカというバンド、メンバーの組み合わせもまた微妙なスタイルを持つバンドにいた面子が揃う。
プロデュースには元サヴァイヴァーのジム・ピートリック。
ツイン・ヴォーカル形式を取っているが、一人はジョー・ヴァナでもう一人は元TOTOのファーギー・フレデリクセン。
ファーギーは、そのハイトーンヴォイスからTOTOをわずか1作ながらハード路線に変えてしった男だ。
(ファーギーがTOTO加入時、強烈に推したのがドラムのジェフ・ポーカロだったようだが、脱退時のコメントとして弟のマイク・ポーカロなども「彼はロックしか歌えない」と発言していた)

ベースには同じくTOTOの初代ベーシスト、デヴィッド・ハンゲイトと、TOTOとサヴァイヴァーファンはもちろん、やはりボストン、ジャーニー、スティクスあたりの産業ロック・ファンにもアピールするのではないだろうか。

ナッシュヴィルに引っ込んだハンゲイトが、このようなロック系に参加する事自体久しぶりで驚いた。
ファーギーも年齢による声質の変化は当然あるが、まずまずの歌いっぷりでTOTOファンも安心出来るだろう。

2000年代に入ってからの産業ロックといった感じのサウンドで、産業ロックという言葉自体、全盛期の80年代をとっくに過ぎた今となっては死語に近いものがあるが、昔を知るファンなら反対に「モダンな事に挑戦したな」という印象(笑)

まぁこういったサウンドを創るなら、何もこのメンバーでなくてもというのが正直な所か。
ただ、何も予備知識もなく聴く分にはさすがキャリアがあるだけあって、そのスジでは良作であると思う。

71点