イーグルスのオリジナル・メンバーであった歌えるベーシスト、ランディ・マイズナーの2ndアルバムは1980年発表。
イーグルスでは自身の代表曲でもある「Take it to the limit」で素晴らしいハイ・トーンを披露していたが、ここで聴けるランディの歌声はもう少し落ち着いたもの。
サウンドはやはり・・・というか基本的に良くも悪くもイーグルスと変わらない(笑)
なので、イーグルスが好きな方は、そんなに違和感なく聴けるのではないだろうか。
ただ歌っているのがハスキー・ヴォイスのドン・ヘンリーではないというだけ・・・と言っては紹介が終わってしまう。
基本路線は大らかで乾いたサウンドが特徴の典型的なウエストコースト・ロック・サウンド。
ストロークを中心としたアコギやロックンロールのピアノに歪んだギターが絡むのはお馴染みだ。
プロデュースは、ジェイムス・テイラー、リンダ・ロンシュタット、ボニー・レイット、ニール・ダイヤモンド、ジャクソン・ブラウン、クレイグ・フラー&エリック・カズと数々のウエストコースト系ミュージシャンを手がけてきたヴァル・ギャレイ。
まず最初に記しておきたいのは、このランディ・マイズナーという人、ベーシストとしては一般的にあまり評価されていないが(楽曲に対して忠実なラインをプレイするタイプ)、実に優秀なベーシストだと私は思っている。
楽曲に対して忠実ということは裏を返せばベースが悪目立ちするような「余計な事はしない」ということになる。
ベーシストにとって大事なことの基本はメロディの邪魔をしない事、楽曲のボトムを支える事、ドラムと共にビート(リズム)を作る事=リズム感が大事になってくる。
この能力がランディ・マイズナーは高いのだ。
リズムとメロディは終始シンクロ・・・・ユニゾンするという事は少ない上、同じリズム楽器であるドラムと異なり明確な音程が付いているのがベース、弾きながら歌うというのは意外と難しいと言われる所以はここにある。
しかも張り上げるようなハイ・トーンを出すという事は大部分はヴォーカルの方に神経がいっているはずである。
これをリズムを崩さずにこなすのだから、ブレないリズム感を持っていること、プレイヤーとして能力が高いことを示しているということだ。
肝心の声もヴォーカリストとしての基本的な力量に加えて、自慢のハイ・トーンを使わずとも声質自体の良さが光っているので抜群の安定感。
では楽曲についてはどうだろう。
Contents
トップ・リコメンド
「Take it to the limit」と同じ得意のハチロク(8分の6拍子)のリズムを使用したアルバム・タイトル曲⑥One More Songはイーグルスの楽曲と言われてもおかしくない。
この曲ではドン・ヘンリー、グレン・フライがバックグラウンド・ヴォーカルとして参加。
イーグルス的楽曲に華を添えている形だ。
その他、跳ねるビートが特徴の如何にもなアメリカン・ロック・チューン①Hearts On Fire、これぞウエストコースト・サウンドの王道中の王道サウンド全開の②Gotta Get Away、ロックンロール④Deep Inside My Heart、アルバムに落ち着きを与えてくれるミディアム・バラードの⑤I Need You Bad、本作の中では一番AORを感じる⑦Trouble Ahead、ラストは、またしてもハチロクの⑨Anyway Bye Byeで幕を閉じるなど、聴きどころは少なくない。
特別なヒット・チューンが無くともランディ・マイズナーの良さが出た代表作と言っても良いだろう。
イーグルス脱退後はソロとバンド(ポコやブラックタイなど)結成を繰り返し紆余曲折あり。
でも一番輝いていたのは、やはりイーグルス時代かな。
78点
データ
1980年:アメリカ(Epic – NJE 36748)
プロデューサー:ヴァル・ギャレイ
1.Hearts On Fire
2.Gotta Get Away
3.Come On Back To Me
4.Deep Inside My Heart
5.I Need You Bad
6.One More Song
7.Trouble Ahead
8.White Shoes
9.Anyway Bye Bye
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