シンガー・ソングライター兼ギタリストのリチャード・トランスが1977年に発表した4作目。
関連する人物から何かとトピックの多い作品である。
レオン・ラッセルのレーベル、Shelter recordsからデビューし、その度に自身のバンド名義を「Richard Torrance And Eureka」「Richard Torrance & Eureka III」と変更しつつも3枚のアルバムをリリース。
この頃は南部の香りが漂う、所謂スワンプ・ロックをベースとした作風。
その後Capitol Recordsに移籍してリリースされたのが本作というわけだ。
ギターを弾くシンガーソングライターらしく、全体的にカントリーテイスト溢れるサウンドが特徴。
Contents
トップ・リコメンド
急にソフィスティケイトされた作品が耳に残るのはトップ・リコメンド⑥Rio De Janeiro Blue。
ウエストコースト・ロック界の妹役ニコレット・ラーソンやクルセイダースとの共演で名を馳せ、トミー・リピューマとアル・シュミットのプロデュースで女性AORの名盤として名高い『Secret combination(邦題:愛の諜報員)』を生み出したランディ・クロフォードも、古き良き伝統を大事にしながらアメリカン・ポップスを体現したマリア・マルダーもカヴァーした、と聞けばAOR好きの方は色めき立ち、絶対に無視できないはず。
それほどこの1曲はズバ抜けている。
名を挙げた全員が女性シンガーというのも興味深い。
続く⑦So SadもAORのバラードとして申し分ない出来。
⑧Leave My Love Behindからは元のカントリー・フレイバー溢れる作品が並ぶ。
ポップなカントリー・チューン①Moonlight Trippin’やギャラガー&ライルの②Stay Young、ウエストコースト・サウンドの香り漂うコーラス・ワークが特徴の③Lovin’ Good、トム・ヤンス作の④Tender Memoryも良いが、⑥⑦の2曲には遠く及ばない。
参加メンバー
バックにはデヴィッド・ハンゲイト(B)、ジェフ・ポーカロ(Dr)のTOTO勢にビル・ペイン(K)、サム・クレイトン(Per)、フレッド・タケット(G)などリトル・フィート勢、その他目につくところではウィルトン・フェルダー(B)、ハーヴィー・メイスン(Dr)、アーニー・ワッツ(Sax)、ウォーターズ(BGV)が参加。
という事は再三述べている「ウエストコースト・サウンド」との繋がりが深いのも納得で、実際にリトル・フィートはもちろん、イーグルスやリンダ・ロンシュタットとも共演経験があり、その他シカゴ、フリートウッド・マック、カンサス、REOスピードワゴンなどポップ・ロックなグループとも繋がりが深い。
ニヤけた表情のジャケットとは裏腹にAORファンを頷かせる楽曲を忍ばせるなど、なかなか強かな印象を残した。
74点
データ
1977年:アメリカ(Capitol Records SW-11610)
プロデューサー:ジョン・ヘイニー
1.Moonlight Trippin’
2. Stay Young
3. Lovin’ Good
4. Tender Memory
5. Circle Of Confusion
6. Rio De Janeiro Blue
7. So Sad
8. Leave My Love Behind
9. Under Your Spell
10. Alley Cat Jack
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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