サイケからバロック・ポップ、サンシャイン・ポップをブレンドさせ、メロディアスなハーモニーを聴かせてくれた1968年、バンド名がタイトルとなる『THE PEPPERMINT TROLLEY COMPANY』をリリースしたソフト・ロック・ファンならお馴染みのペパーミント・トロリー・カンパニー。
そこから発展し、その名の通りキーボードのダニーとヴォーカルのジミーが弟達と組んだファラガー・ブラザーズ1976年発表の1stアルバムが本作。
Contents
サウンドについて
ペパーミント〜時代は60年代ということもあって、当時流行りのサウンドを取り入れたソフト・ロック・グループだったが、こちらは約8年経って出てくるサウンドが比べ物にならないほど洗練されている。
粘りながら崩したり、シャウトするジミーのヴォーカルは適度なファンキーさでソウルフルな歌い回しにハイトーンのコーラスワークが絡む構成。
もう一人の中心人物であるダニーはオルガンをメインにピアノ、パーカッションまでこなす。
さらにトミーはピアノをメインにダニーとキーボード・パートを分け合い、もう一人の兄弟デイヴィーはベースで参加。
聴きどころ
ギターのカッティング・リフと華やかなブラスが印象的な①The Best Years Of My Lifeを聴けばアルバムの内容に期待が持てること間違いなしのサウンドが広がる。
エレピのリフにオルガンが絡む②Never Get Your Love Behind MeはAORファンに最もアピールするであろう1曲。
ジェームス・ニュートン・ハワードによるARPシンセ・ストリングスも、この時代のサウンドにはお馴染みの音色である。
明るい③It’s Alrightはキレのあるブラスと、ここでもオルガン、エレピが活躍する跳ねモノ。
続く④In Your Time Of Needも同様の楽器達が中心になるが、こちらはコーラス・ワークがサビを歌い、メインがフェイクしながら合いの手を入れるソウル・ミュージック・スタイルのミディアム・チューン。
レコードでは折り返しとなる⑥になっても、エレピとオルガンが中心となるサウンドは変わらず。
途中、レゲエの⑤Please Hurry Upや終盤⑨Never Felt Love Before、⑩Give It Upのようにファンクな楽曲も登場するが、あくまでも核となるのはミディアム・テンポのブルー・アイド・ソウル。
プロデュースはイノセンス、トレイドウィンズに在籍、ピーター・アンダースとの「アンダース&ポンシア」で作家コンビとして活動、フィル・スペクター門下生とも言えるバブルガム・ポップ職人ヴィニ・ポンシアが担当。
ウエスト・コースト・サウンドらしい爽やかさも併せ持ち、なかなか侮れない一枚だ。
76点
データ
1976年:アメリカ(ABC Records – ABCD-941)
プロデューサー:ヴィニ・ポンシア
1. The Best Years Of My Life
2. Never Get Your Love Behind Me
3. It’s All Right
4. In Your Time
5. Please Hurry Up
6. Losing Cause
7. You Touched Me
8. Go Where We Want To
9. Never Felt Love Before
10. Give It Up
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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