MARLENA SHAW / Sweet Beginnings

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ファンキーでフリーキーなスキャットを得意とするヴォーカル・スタイルがカッコイイ、マリーナ・ショウが77年に発表したアルバム。

ジャズとソウルのちょうど中間に位置するが、ジャジーな曲をR&B、ソウルのようにファンキーに且つパワフルでドスの利いた声で歌えるの人は数えるぐらいしかいない。

マリーナ・ショウといえば1にも2にも75年作『Who Is This Bitch, Anyway?』の影響が大きい。

ジャズ、R&B、ソウルを三位一体、恐ろしくバランス良く閉じ込めたこの歴史的名盤は楽曲からバックの演奏陣、マリーナを含めたパフォーマンス、と非の打ち所がない一枚で愛聴者はかなり多いはず。

本作は、そんな『Who Is〜』をリリースして黄金期を築いたブルー・ノートを離れ、『Just A Matter Of Time』を挟んでコロムビアに移籍した最初のアルバム。

遺跡をきっかけに以前のマリーナ・ショウとは明らかに路線が異なる作品で時代的にもダンス・ミュージック路線を取り入れる事は、ある意味自然である。

Contents

サウンドについて

①Pictures And Memoriesからディスコ・チューンが炸裂。フィリー・ソウルにようにストリングスとコーラスを強調するスタイルが特徴で、ファンキーなギターとブラス、ドラムのハイハットとキック、モータウン・スタイルのベースライン(プレイしているのはジェームス・ジェマーソンだろう)でリズムを作る典型的なパターンに思わず腰が浮く。

②Yu-Maではスウィートに脱力したヴォーカル、語りは完全にマリーナの独断場。

作曲もマリーナ自身というのは頷けるが、これは前半部分。

続くGo Away Little Boyとある意味一体になっており、こちらはジェリー・ゴフィン&キャロル・キングの作品。

マリーナのトレード・マークとも言える必殺スキャットが炸裂。

ファンクな④The Writing’s On the Wallはブラスとループしたコード進行にベースが延々と同じパターンを弾くスタイル。こういった曲では水を得た魚の如く、よりフリーキーなスタイルが映える。

ストリングスが美しい⑤Walk SoftlyはAORファンにもアピールするバラード。作曲は『The Hustle』でお馴染みのヴァン・マッコイ。

続く⑥Sweet Beginningsは本流に戻って強調されたハイハットとパーカッション、デヴィッド・シールズお得意のスラップスタイルで弾くベース、ワウ・ギターが怒涛のリズムを形成し、ストリングスが高らかに鳴るディスコ・チューンはアルバム・タイトル曲で作曲はリオン・ウェア。

アメリカの黒人シンガーと相性が良く、度々コラボレーションしているメロウ大王はここにも登場。

⑦Look At Me, Look At You (We’re Flying) はラテン・フレイヴァー溢れるお洒落なミドル・チューン。

その割にはファンクなギターがブレンドされているところが何とも言えない味に繋がっている。

⑩I Think I’ll Tell Himはアルバム中唯一のジャズ曲といってもいい、ビッグ・バンドを起用した楽曲。

華やかで明るいポップなスタイルは本来ジャズ・シンガーでもあるマリーナのスタイルにハマるはずだが、本作に入っているとスパイスの効いたアクセントとして刺激的。

 

本作の全体を包む味付けは「ディスコ」である。

⑥Sweet Beginningsでも触れたように、ドラムのハイハットやキックが大きめにミックスされ、ビートを効かせたサウンド・メイクは典型的。

参加メンバーからマリーナ流AORとも言えなくはないが、本筋はやはりダンス・ミュージック。

ジェイムス・ギャドソン(Dr)、デヴィッド・シールズ、ジェームス・ジェマーソン(B)、ジェイ・グレイドン(G)、ジュリア・ウォーターズ、マキシン・ウォーターズ(BGV)等。

ジャズ、ソウルをベースとして当時は今後の流行りを予感させるディスコ、AORの要素を含んだポップ路線にクロスオーヴァーし、大きく舵を切った意欲作。

本作以降もしばらくはディスコ路線が続く。

 

83点

 

データ

1977年:アメリカ(Columbia – PC 34458)
プロデューサー:バート・ドゥコトー

1.Pictures And Memories
2.Yu-Ma
3.Go Away Little Boy
4.The Writing’s On The Wall
5.Walk Softly
6.Sweet Beginnings
7.Look At Me, Look At You (We’re Flying)
8.No Deposit, No Return
9.Johnny
10.I Think I’ll Tell Him

 

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