フリー・ソウルの定番作品にして、その質感からフュージョン扱いをされるという珍しいアルバム。
クラブ、DJ諸氏にはすっかりお馴染みの一枚で、90年代に入り初CD化された際にも話題を集め、最近になって何度も再リリースされたので、ご存知の方も多いだろう。
Contents
聴きどころ
ヒップホップ系では時に”サンプリング”という便利な言葉の元に、特定の作品がフィーチャーされる(パクリという事ではなく、むしろそのまま使う)ケースもあるが、そういう意味での本作の存在意義は単にソウル・ファンだけに留まらない。
またソウルの歴史的名曲What’s Going Onを取り上げたり、ウェルドン・アーヴィン自身もR&Bに影響を受けている事からソウル色が強いように思えるが、実際はリチャード・ティーも真っ青のローズを多用した柔らかい音作りに加え、ブレッカー・ブラザーズの参加、そしてバックを務めるのはスタッフと冒頭で書いたフュージョン扱いされてしまう理由が、ここにある。
ソウルにしてはポップ過ぎるのだろうか。
しかし逆に言えば、そうした要素が受け入れやすいサウンドになっているとも言える。
トップ・リコメンド
④にフリーソウル屈指の名曲I Love Youを収録。
ドン・ブラックマンが参加した作品としても話題になった。
美しいメロディに、こみ上げ系がお好きな方にオススメ。
それにしても1976年にこのサウンドは早過ぎる。
82点
データ
1976年:アメリカ(RCA Victor – APL1-1363)
プロデューサー:ウェルドン・アーヴィン
1. Sinbad
2. Don’t You Worry ‘Bout A Thing
3. What’s Goin’ On?
4. I Love You
5. Do Something For Yourself
6. Music Is The Key
7. Here’s Where I Came In
8. Gospel Feeling
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