アメリカが誇る「古き良き」時代のサウンドを体現出来る生き字引のような数少ないシンガーだと思う。
そのサウンドからカントリーにカテゴライズされる事もあるようだが、見た目雰囲気からしてヒッピー的であり、スタンダードを歌う彼は唯一無二の存在。
Contents
ストーリー
イギリス、アイルランド、そしてチェロキーの血を引き、ヒッピー・ムーヴメントに影響を受けたウィリーはとんでもないキャリアの持ち主。
なにせ、半世紀を軽く超える活動キャリアで60枚を超えるアルバム制作、1933年生まれで齢80を超えても未だ現役というのだから凄い。
いや何が凄いって普通引退はしていなくても、このぐらいの年齢になれば、たまに人前で歌い数年に一度アルバムをリリースする・・・・ぐらいの活動に落ち着く、その程度だろうが彼の場合は毎年のように新作を出し続けている事である。
試しにウィリー・ネルソンのディスコグラフィーを検索してみるといい。
1978年発表の本作ですら、一体何作目にあたるのかがすぐに分からないほどだ(笑)
聴きどころ
広義的な意味でAORなんだろうな、と思わせる作品。
しかし、フォーキーで柔らか、癒しを与えてくれるサウンドはリラックスしたい時、コーヒーや紅茶のお供になんて良さそう。
この作品を聴くと、きっとアコースティック・ギターという楽器が好きになってしまうだろう。
ブラシの効いたドラムにオルガン、ストリングス、ハーモニカなど必要最小限で挑むシンプルな編成も耳に優しい。
心にスッと入ってくるサウンドは、じわりじわりと沁みてくる。
となれば、トップ・リコメンドは改めて語る必要なしというのが定説。
性別、年齢は全く違えど今で言うノラ・ジョーンズにイメージが近いな、と思ったらやっぱり共演しているのね。
異色の組合せかと思われたブッカー・T・ジョーンズとの制作である事にまたビックリ。
今から40年も前の作品とは思えない。
AOR=洗練されて都会的サウンドなのだが、真逆である泥臭い=アーシーなサウンドでも癒し効果があれば、これも立派なAOR。
なるほど。ブッカー・Tとはそのつながりなんだな、と妙に納得。
この良さが理解出来たら、相当な大人。
87点
データ
1978年:アメリカ(Columbia – JC 35305)
プロデューサー:ブッカー・T・ジョーンズ
1. Stardust
2. Georgia On My Mind
3. Blue Skies
4. All Of Me
5. Unchained Melody
6. September Song
7. On The Sunny Side Of The Street
8. Moonlight In Vermont
9. Don’t Get Around Much Anymore
10. Someone To Watch Over Me
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