勝手に新企画。
音楽をやり始めて早・・・・何年かは覚えていないが、作り手として、ベーシストとして、リスナーとして、ファンとして自分に多大なる影響と衝撃を与えてくれた作品をご紹介。
相変わらず私個人の勝手な解釈と偏見に基づく感想であるのはご了承ください。
雑誌企画などでよくある厳選した10枚を選ぼうと思ったが、あれもこれもなんてなったらとてもじゃないけど10枚は無理・・・ということに2秒後に気づいたので、それぞれテーマを設けてご紹介していくという荒技で乗り切ろうと思うので、今後もしばしお付き合いいただければ。
Contents
THE BEATLES
『Rubber Soul』1965
アイドル的カリスマ性、楽曲と録音の実験的要素、演奏技術とアイディア、後世への影響力・・・・どれも兼ね備えているのがビートルズという世界最強バンドだと思う。
個人的には次作『Revolver』や、サイケの名盤『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』と迷うのだが、楽曲のバランスや本作から明らかにサウンドが骨太になり、現代ロックの基礎を築いたのが本作であると思っている。
超超有名曲が入っていなくても楽曲のバランスと4人が前面に出た過剰過ぎないサウンド・プロダクション、ベーシストから見てもモータウンからの影響やファズを使用したリード・ベースなど”美味しい”アイディアの宝庫であるポールのプレイなど聴きどころ満載な本作こそ、私に影響与えてくれたアルバムとしてはビートルズNo.1である。
PROCOL HARUM
『PROCOL HARUM』1967
プロコル・ハルムの楽曲として最も有名な「A Whiter Shade of Pale」が”入っていない”1s tアルバム。
何百回、何千回と聴いても飽きない歴史的名曲だが、それがなくてもプロコル・ハルムの魅力は存分に味わえる。
クラシカルな要素、ピアノとオルガンのツイン・キーボード、ソウルフルなヴォーカルが私好みだ。
こちらも本作には収録されていない「Homberg」なども気に入って10代の頃から愛聴していた。
アルバムとしては3作目『Solty Dog』も良いが、1s tアルバムの瑞々しさに敵わない。
JOHN LENNON
『JOHN LENNON』1970
ビートルズという存在があまりにも大き過ぎて、その違いがよく分からないと思いきや、しっかりとジョンの個性際立つプラスティック・オノ・バンド名義の作品。
ビートルズ時代にオノ・ヨーコとのアルバムをリリースしているので初のソロではないのだが、ジョン・レノンを前面に押し出して実質1枚目とも言える。
本作では意図的にシンプルなコード進行、シンプルな楽器構成、シンプルな演奏とバックのサウンドに関してはこれ以上ないぐらい余計なものを入れず無駄な肉を削ぎ落としている・・・ともすれば地味とも言える作りだが、代わりにジョンのヴォーカル、メッセージ性が前面に出ている作品となっている。
特にジョンが弾くピアノとクラウス・フォアマンのベース、ビートルズ時代の盟友リンゴ・スターのドラムとの絡みが非常に心地良く影響を受けた。
次作『Imagine』こそタイトル曲の有名さから最高傑作とも言えるが、それまでの溜まっていた鬱憤を吐き出したキレっぷりから本作をセレクト。
プロデュースがフィル・スペクターというのもポイント。
DEEP PURPLE
『In Rock』1970
私にハード・ロックの良さを教えてくれたバンドがディープ・パープルであり、歪みの気持ち良さを教えてくれたのはリッチー・ブラックモアである。
日本でよく比較されるレッド・ツェッペリンとは比べものにならないぐらいパープルが好きだし、俗に言うロック3大ギタリストにも数えられないがリッチーが好きなのである。
神経質で気難しく気分屋でお世辞にも人懐っこさとは無縁、バンドに途中で飽きるとか・・・・そこがまたファン心を擽る。
ロッド・エヴァンスとニック・シンパーが在籍した第1期はソフト・ロック的なサウンドで、本作より第2期に入って圧倒的に好きな理由は、ハードなサウンドの中にクラシカルでオルガンが入っているから。
ほぼプロコル・ハルムと同じ理由だ。
ベーシストとしても過小評価されている一人だと思うロジャー・グローヴァーがいることも大きい。
シンプルだから=つまらないプレイヤーではないのです。彼の弾くドライヴ感溢れるルート連打は、その辺のプレイヤーには真似出来ない。
ギター、オルガン、ベース、ドラムのぶつかり合いが楽しめるのがハード・ロックの醍醐味。
2作後の『Machine Head』こそ「Highway Star」「Smoke On The Water」「Space Truckin’」といった楽曲達が収録されているが、ハードさとテンションが凄まじい本作は素晴らしい。
YES
『Fragile』1971
一通り聴いて、誰も彼もが単純なプレイに終始するハード・ロックのベースに飽き飽きしていた私にとってプログレッシヴ・ロックとの出会いで新たに視界が開けた。
このYESに関しては、サウンドとプレイ面からベースの音が大きく感じられ、リッケンバッカーにピックでゴリゴリガリガリと攻めるクリス・スクワイアの魅力にドップリ浸かり、直ぐに虜になった。
ハイ・トーンなジョン・アンダーソンのヴォーカルも好きだったし、ここでも私好みのクラシカルな要素(笑)もポイントが高い。
展開が多く取っつきにくい、ともすれば独り善がりのサウンドになりがちなプログレ作品が多いが、本作は長さを全く感じさせない、まとまりのある楽曲揃いである事も高評価の理由。
BECK BOGERT APPICE
『BECK BOGERT APPICE』1973
大好きなベーシスト、ティム・ボガートが盟友カーマイン・アピスと共に名ギタリスト、ジェフ・ベックと組んだ貴重な一枚。
演奏とキャラの個性がぶつかり合いがハード・ロックの醍醐味だと書いたが、あまりにも個々がぶつかり過ぎて結局はこれ一枚で終了(ジェフが発表したベッコロジーで一部収録以外では幻の2n dはなぜかブートで出回っているが)。
続いていたらクリームと双璧のバンドとなっていたことだろう。
正式なヴォーカルが不在のため、そこがウィークポイントとされているが、ティムもカーマインもヴォーカル非常に上手く、私は気にならない。一方でジェフが歌うのはご愛嬌。
R&Bが根本にあるといわれるティムのベースだが、そこが分からないぐらい(笑)手数が多くヴァニラ・ファッジやカクタス時代からのニュルッと入るフィルや歪んだベースは健在。
そこにカーマインのドコドコしたドラムと自由に動き回るジェフのギターが組み合わさるのだから悪いはずがない。
EAGLES
『HOTEL CALIFORNIA』1976
こうして見ていくと「ロックといえばイギリス」一辺倒だった私が古き良きアメリカン・ロックのキャッチーなメロディや明るさに惹かれ、中でもハードなギターにコーラス・ワークが絡むイーグルスは70年代を代表するバンドとして強く印象に残った。
全編捨て曲なしの最高傑作。
誰もが知る「Hotel California」はもちろんだが、「Wasted Time」「The Last Resort」といった泣きの曲もバランス良く配置。
アメリカの西海岸というと一見能天気で明るいイメージだが、乾いたサウンドとは対照的に一つの時代の終焉を感じる内容を歌うなど翳りが垣間見えるところなどは聴き手の感情に訴えかけてくる。
如何にも西海岸らしいジャケットも秀逸の一言。
TOTO
『TOTO』1978
ロックにしてはお洒落、ポップスにしてはハードなサウンド、フュージョンのように凝っているもののメインはインストではなく歌もの、黒人顔負けのファンキーなリズムなのにプレイしているのは白人、計算されたアンサンブル・・・そしてプレイヤー全員がそれらを表現出来るだけの卓越した演奏力こそがTOTO最大の魅力。
同時代に一緒くたにされた産業ロックバンドの連中とTOTOが一線を画すのは、この演奏力とファンキーな要素があるかないかで大きく異なる。
ギター小僧スティーヴ・ルカサーが生み出すハードなサウンド、超シンプルなのにファンキーなグルーヴ生み出すデヴィッド・ハンゲイトとジェフ・ポーカロのリズム体、彩りのを与える役割の違うキーボード、そこに乗るハイ・トーンなヴォーカル(しかもキーボードのデヴィッド・ペイチとルカサーも歌える!)がバランス良くミックスされ
一般的には名曲「Rosanna」「Africa」が収録された『TOTO VI』が最高傑作と誰もが口を揃えるだろうが、先述した”ファンキーな要素”を多分に含み、後期になるに連れ次第に存在感が薄れてゆくデヴィッド・ペイチが曲を書いているこの1s tこそ私にとっての最高傑作。
RAINBOW
『BENT OUT OF SHAPE』1983
ディープ・パープルにどっぷりと浸かった後、それ以上に好きになったのがこのレインボー。
リッチーの趣味丸出しのクラシカルな要素オンリーだった初期から次第に「売れる」事を狙ってアメリカというフィールドにシフトしていくのと同時に、楽曲も外部ライターを起用したりや売れ線、キャッチーになっていった事が余計に好きになっていく要素として充分だった。
それにしてもリッチーはヴォーカリストを見つけるのが実に上手い。
初代のロニー・ジェイムズ・ディオ、2代目グラハム・ボネット、3代目のジョー・リン・ターナーと、誰もが納得のパフォーマンスを見せる事が出来るヴォーカリストばかりである。
ディオ時代の『Rainbow Rising』やグラハム時代の『Down To Earth』ももちろん好きだが、個人的にジョー・リン時代がルックスと楽曲から好きだ。
今も思うが、もしリッチーがパープルの再結成に動かずレインボーを続けていたら、アメリカ、世界でもっと有名なバンドになっていたかも知れない。
レインボーこそ今だに最強のポップ・ロックバンドだと思っている。
MOTLEY CRUE
『Dr.FEELGOOD』1989
ハード・ロック、ヘヴィ・メタルを貪るように聴いていた頃、私のヒーローだったのがダフ・マッケイガン(GUNS N’ ROSES)であり、このモトリー・クルーのベーシスト、ニッキー・シックスである。
髪型も服装も「ニッキーになりたい!」と思えるほどカッコ良く、歳を重ねた現在でもヴィジュアル面からヒーローとして変わりない存在。
アルバムごとにテーマを持って猫の目のようにロゴを変えていく事で有名なバンドだが、収録楽曲のクオリティで頂点に達したのが本作。
それまでのなぜかベースの聴こえにくいミックスから一転、骨太マッチョなサウンドに大変身し、トミー・リーのパワードラムとミック・マーズの”壁”と称されるギター・サウンド、変な声(というより変わった発声:笑)のヴィンス・ニール独特のハイ・トーンも健在。
「Kick Start My Heart」はいつ聴いてもアガるし、ヘヴィな「Dr.Feelgood」や代表曲の一つである「Home Sweet Home」を思い出す「Without You」に加え、キャッチーな「Don’t Go Away Mad (Just Go Away)」日本でも有名な?曰く付きの「Time For Change」など捨て曲なしで最初から最後まで楽しめて本当によく聴いたアルバム。
次回「私を形成する10枚」へ続く→→→
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