以前ご紹介したThe Krushでヴォーカルを務めたベン・ヴェガスが率いるバンド5:05。
本作は彼等の名義では唯一のアルバムでAORとしては珍しい94年発表。
何度もジャケットが替わったり、収録曲順も変わっているが、内容は同じでアルバムは1枚である。
ザ・クラッシュの作品でもベンのヴォーカルというのは実に伸びやかな特徴があったが、90年代に入ってからも、それは変わらず。
ハワイ系のアーティストに多い、アコギを多用した音作りや美しいコーラス・ワークは太陽の日差し浴びる中の浜辺で歌っているかのような画を想像してしまう。
収録楽曲も並以上の質ばかりなので、覚えたらつい口ずさみたくなりそうなキャッチーさも売りの1つである。
時代も確実に影響していると思うのだが、ハーモニーが前面に出ているので、古臭さを感じない。
Contents
聴きどころ
一般的にはAORというジャンルが隆盛を誇ったのは76年から83年頃までである。
それ以降(デジタル機器の急速な発達もあってか)軒並み大物アーティストが低迷期を迎えたり新譜を出さない沈黙期間が長く続いた為に良質な作品が激減する。
そんな低迷期にあった中でも、この5:05の作品は数少ない良質なアルバムであると言えるのではないだろうか。
今とはまた違う90年代当時の新しい要素を取り込んだAORという形であろう。
夏=ハワイアンAORというイメージに直結しがちになってしまうのだが、そんな理由から省かせてもらった。
現在のJ−R&Bを先取りしたかのような⑩Tropical Beautyはオススメ。
71点
データ
1994年:アメリカ(Flyin’ Hawaiian Productions)
プロデューサー:レスター・ガンタン
1. It Ain`t Worth d Dime
2. We Were Something Me&You
3. Stay Awake
4. Someebody`s Watching
5. Diana
6. The Whole World`s Asleep
7. Pua Nani
8. I Wanna Be Her Man
9. Thankful
10. Tropical Beauty
11. Stay Awake(unplugged mix)
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