熱心なAORファンならば1977年に『I Can’t Say No』を発表したドン・ブラウンはご存知だろう。
そこにも参加していたギャレット・スミスとソロ・アルバムを作る前にコンビを組み、唯一となった作品がこちらである。
暑い陽射しの木漏れ日の中を笑顔で一枚に収まったポートレートのジャケットが何とも微笑ましい2人組デュオ。
それがこのブラウン・スミスである。
1973年に自主制作としてシアトルで発売された本作はアメリカの大手レーベルキャピトルが権利を買い上げ、75年に再発。
その際にジャケットが緑色となり、日本でもCD化の際、そちらが最初だったが近年のリイシュー盤ではオリジナルヴァージョンを採用されモノクロに変わる。
楽曲のほとんどをドン・ブラウン(Vo,G)が書いており、バックグラウンド・ヴォーカルを含めて歌っているのも彼だ。
そして相方のギャレット・スミス(BGV,B)はクレジット上はベースも弾いていることになっているが、アルバムを通してベースが聴ける曲はあまり無いのが珍しい。
肝心のハーモニーを彩るバックグラウンド・ヴォーカルでの登場は少なく、ドン・ブラウンが一人でこなしている曲も多いことから、彼が主導権を握っていたものと推測できる。
サウンドの方はアコースティック・ギターを前面に押し出し、爽快感のある美しいハーモニーとアコピ、エレピなどのピアノ、バイオリン単体とカルテットとしてのストリングス、フルートやブラス・セクションで構成されているので華やかさがある分、ドラムなどもかなり抑えられているため、リズム体としてビート感のある楽曲は少ない。
Contents
トップ・リコメンド
サックスを大々的にフィーチャーした⑤July Moonや中盤にインタープレイの応酬が高揚感を誘う⑨Gold And Mellowなど、なんと6分も超える楽曲を2曲も収録しているが、やはり”トップ・リコメンドの法則”ならぬ①Lightning Ladyを推したい。
エレピとアコピの絡みにゆったりとしたリズムを刻むアコギ、白玉のコーラス・ワーク、中盤からインしてくるリズム体とバイオリンは感動的な演出で、本作の印象を決定づけている1曲。
ヒット曲とは無縁だがウエスト・コースト・サウンドやフォーク・ロック系がお好きな方は特に好まれるかもしれない。
73点
データ
1973年:アメリカ&カナダ(not on label – none)
プロデューサー:ジム・ブリドウ
1. Lightning Lady
2. Circus Ride
3. Friends Of Mine
4. Yukon Lady
5. July Moon
6. Forever
7. Only Love
8. Sunrise To Sunset
9. Gold And Mellow
10. Summer Afternoon
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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