ミュージシャンの中には確固たるスタイルを持ち、それをひたすら前面に押し出し続けるタイプがいるのだが、本日ご紹介するダン・ヒルもそんなシンガーのひとり。
バラードに定評があることから、ついたあだ名は「吟遊詩人」と評する人がほとんどである。
デビューから一貫してシンガーソングライター然とした弾き語りを基調にしたサウンドで、ほとんどの曲をスロー〜ミディアム・テンポで聴かせるが、AORファンにはこの前の2ndからがオススメ。
3枚目の本作にして、ようやくサウンド・プロダクションが垢抜けてきて楽曲の幅もこれまでの作品とは比べものにならないぐらい広がった。
プロデュースはジミー・ウェブやジョニー・マティスを手がけ、映画・テレビ音楽にも携わったフレッド・モーリン、同じくマシュー・マッコーリーのコンビ。共にカナダ、アメリカを拠点にしたプロデューサーである。
2人はそれぞれパーカッション、シンセなどのキーボードとプレイヤーとしてもサポート。
アルバム全体ではナッシュビルのドン・ポッターが大活躍しており、全曲でアコースティック、エレクトリックのギターをプレイ。
Contents
トップ・リコメンド
冒頭から渾身の力作がお目見え。①Sometimes When We Touchは邦題を「ふれあい」とされ、本作のみならずダン・ヒルの代表作ともなる1曲である。
作曲はダン・ヒル本人と、巨匠バリー・マン。
所謂”込み上げ系”とも言われるメロディやサウンド・プロダクションには感動を誘う。
この曲が気に入らなければこのアルバムはおろか、他の作品に用が無くなるほどクオリティは最高点に達している。
結果もビルボードで最高3位を記録するという大ヒット。
AOR的にはバリー・マニロウがカヴァーしているところも見逃せないが、他にもティナ・ターナーやロッド・スチュワート等多くのシンガーが歌っている。
名バラディアーとも言われるダン・ヒルだがアルバム全体が明るく陽気な点は無く、泣きのメロディが連続するので、その辺りがお好きな方には堪らない1作になることだろう。
逆に言えば曲調にメリハリを求める方にはやや退屈に感じる事もありそうだ。
唯一と言ってもいいエレキギターが前面に出てくる⑧Southern Californiaが良い箸休め。
母国カナダでは最高2位を記録し、トップ100にはなんと42週も留まるという結果からも末長く愛される作品だという事が証明された。
73点
データ
1977年:カナダ(GRT – 9230-1073)
プロデューサー:フレッド・モーリン、マシュー・マッコーリー
1. Sometimes When We Touch
2. 14 Today
3. In The Name Of Love
4. Crazy
5. McCarthy’s Day
6. Jean
7. You Are All I See
8. Southern California
9. Longer Fuse
10. Still Not Used To
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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