ホール&オーツの長い歴史の中でもピークはヒット曲を連発していた80年代にあると思うし、デヴィッド・フォスターが絡んだ2作品『Along the Red Ledge』と『X-Static』よりも個人的にAOR的な美味は本作にあると思っている。
その後80年代に入ってからの”最先端サウンド”よりも耳馴染みが良く、音もまろやか。
彼等の大きなルーツであるソウル・ミュージックをブレンドして所謂「ポップン・ソウル」サウンドが本作で確立したのではないだろうか。
ダリル・ホールのポップからバラードまで歌い上げる甘い声、ジョン・オーツと絡んだ時の歌声は唯一無二である。
この点が一口に”ソウル”といっても汗ばむような脂っぽい黒さではなく、あくまでもルーツとして感じられる程度の黒っぽさがポップン・ソウルと呼ばれる所以。
また、ジョン・オーツもなかなかの実力者で音色やフレージングという点で楽曲に合ったものを常に提供、雰囲気を大切にするプレイヤーだ。
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トップ・リコメンド
トップ・リコメンドは全米4位を記録した②Sara Smile一択。
ダリル・ホールの当時の恋人であるサラ・アレンについて歌った1曲。
彼女はでも参加しており、妹のジャンナ・アレンと共に大ヒット曲「Private Eyes」をダリル・ホールと共作、他にも6曲の全米Top10に送り込んでいる実力派ソングライターである。
この曲はホールの甘い歌声が映えるメロディで、ギターもそれに沿ったかなり渋いプレイを聴かせてくれ楽曲に華を添えている。
ハモりギターのイントロや分かりやすくオーツと歌い上げるサビが印象的な①Camellia、ミディアム・チューンの③Alone Too Long、⑤Nothing At Allあたりはポップン・ソウルの真骨頂といった楽曲で好印象◎
AORファンに充分アピールする曲達であろう。
アウトロにかけて8ビートを刻み、次第にストリングスが加わって延々とループするところがビートルズを思わせる⑨Grounds For Separationも聴きどころとして挙げたい。
ジム・ゴードン、エド・グリーン、マイク・ベアード(Dr)、スコット・エドワーズ、リーランド・スクラー(B)等、西海岸中心のミュージシャンを起用するなどフィラデルフィア+ロサンゼルスのサウンドが融合した作品だ。
1975年発表ということでAORの幕開け前夜、洗練された都会的サウンドとは異なるが、心地良く聴けるという点ではオススメできるというもの。
長い間、ヒットという点では恵まれてなかったが、RCA移籍で心機一転、Sara Smileのヒットもあり通算4作目となる本作は全米アルバム・チャートでは最高位第17位を記録した。
75点
データ
1975年:アメリカ(RCA Victor – APL1-1144)
プロデューサー:ダリル・ホール、ジョン・オーツ、クリストファー・ボンド
1. Camellia
2. Sara Smile
3. Alone Too Long
4. Out Of Me, Out Of You
5. Nothing At All
6. Gino (The Manager)
7. (You Know) It Doesn’t Matter Anymore
8. Ennui On The Mountain
9. Grounds For Separation
10. Soldering
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