鼻にかかった独特な声質とコーラス・ワークのハーモニーで爽やかなサウンド・プロダクションに定評のある車椅子のシンガー・ソングライター、ダニー・ディアドルフとパーカー・マッギーのプロデュース『Things I Meant To Say(邦題:伝えたっかた言葉)』でデビューを飾ったマーカス・ジョセフのデュオが発表した唯一の1976年作品。
2人ともこのユニット後に発表したソロ作の方が有名かも知れないが1枚限りでは勿体無い買った思わせるほどの出来になっている。
それぞれが代わる代わるヴォーカルを取れることも大きいが、そよ風を意味する「ブリージー」と形容したくなるほどの爽やかさが最大の売り。
声質という点で冒頭でも述べたとおりダニー・ディアドルフは”少年”のような声で一度聴いたら忘れられないほど特徴的。
一方のマーカス・ジョセフはマイルドな声質で歌い方も優しく、如何にもAORのシンガーに多いタイプの声。
特徴の異なる2人のハーモニーはなかなか相性が良い。
アコギやピアノが主体となり、合間を縫うようなギター、厚いコーラス・ワーク、プラスアルファで女性コーラス陣も入っており粒ぞろいの楽曲達が目白押しだ。
シールズ&クロフツやイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーに近いと言われるのも頷ける。
また、バックの演奏がなかなか気が利いており、本作の楽曲達はこの選ばれた職人タイプのミュージシャン達のおかげでもあるのではないか。
そして彼等を取りまとめたアレンジャーとしてデヴィッド、マーティのペイチ父子とジミー・ハスケル。
特にデヴィッド・ペイチに関してはアレンジにピアノ、シンセ、アコーディオンにクレジット上ではドラムまで!プレイしているようで貢献度大。
Contents
参加メンバー
デヴィッド・ペイチ、(K)、デヴィッド・ケンパー、ジェフ・ポーカロ(Dr)、ジョー・ポーカロ(Per)、デヴィッド・ハンゲイト、マイク・ポーカロ(B)、ダニー・シールズ、ルイ・シェルトン、ディーン・パークス(G)、ジム・ホール(sax)、エドナ・ライト、マキシン・ウォーターズ(BGV)等。
ズバ抜けたヒット曲は無いものの、捨て曲もなく冒頭から”美味しい”曲達が並ぶ。
AORファンはもちろん、ジャケットでダニーがマンドリンを持っていることからカントリー・ポップの要素も含まれているのでウエストコースト・サウンドがお好きな方にもオススメ。
86点
データ
1976年:アメリカ(Arista AL 4092)
プロデューサー:ジム・シールズ、ルイ・シェルトン
1. One More Story To Tell
2. We’ll Never Have To Say Goodbye Again
3. Chicago Blue
4. Nighttime Love
5. Sentimental Lady
6. The Castle
7. Golden Road
8. Lovely Lady
9. Sing My Song
10. Little Kings Of Earth
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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