DON SEBESKY / Giant Box

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Sagaworld Remaster CD Review
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アレンジャー、ドン・セベスキーのソロ作品1973年発表。

“ザ・アメリカン”なジャケットも誇らしげで良い。
さすがは自国だけでも頻繁に「ワールド」を名乗る国である。

Contents

CTIについて

フュージョンはジャズを電気化し、クラシックの要素を混ぜながらよりポップに、ファンキーに聴きやすくしたサウンドであると思うのだが、クリード・テイラーをトップとしたCTIはフュージョン・ブームの真っ只中に位置するレーベルであり、時代背景からもAORやソウルと文字通りクロスオーバーして密接な関係を築いていく。

東西問わず、頻繁に登場するミュージシャンはボーダーレスにそれらのジャンルを行き交い、上質で洗練されたサウンドを聴かせてくれる。

60年代に流行ったイージー・リスニングからの流れはより洗練され、言ってみれば歌のないAOR、アクを薄めたファンキー・ソウル要素を孕む。

ストーリー

ドン・セベスキーは元々アレンジャーとしてかなり高名で、彼が執筆した教則本はアレンジャーのバイブル的1冊。

ニック・デカロやクラウス・オガーマン、チャールズ・カレロなどのアレンジャー達のように”自分の十八番”的な色を持っていて、彼らにも肩を並べる存在である。

思えば、皆ストリングス・アレンジ(バイオリン、ビオラ、チェロの編曲)に特徴がある人達ばかりだ。

手がけたミュージシャンはウェス・モンゴメリーやチェット・ベイカー、ジム・ホール、本作にも参加しているヒューバート・ロウズ、ミルト・ジャクソン、ポール・デスモンド、ジャッキー&ロイからアストラッド・ジルベルト、アイアート・モレイラのブラジル勢まで数知れず。

 

しかし、このヴォリューム感は何なのだ!
曲数こそ7曲と物足りなさを感じるかもしれないが、長尺の楽曲もありながら充実した内容は全く飽きさせない当時のLP2枚組。

参加メンバー

何と言っても参加メンバーが強烈。

ボブ・ジェームス(Pf,E.Pf)、ロン・カーター(B)、ジョージ・ベンソン(G)、ビリー・コブハム(Dr)、ラルフ・マクドナルド、アイアート・モレイラ(per)、ジョー・ファレル(S.Sax)、ポール・デスモンド(A.Sax)、グローヴァー・ワシントンJr.(A.Sax)、ミルト・ジャクソン(Vib)、フレディ・ハバード(Tp,Fl)、ヒューバート・ロウズ (Fl)、ジャッキー&ロイ(Vo)など他多数。

その名の通りオールスター。

1つのアルバムにこれ以上のプレイヤーが集結出来るだろうか、というぐらい詰まりに詰まった数多くのメンバー達。

放っておいても勝手に相当ハイレベルなアルバムが出来てしまいそうなメンツだ(笑)

 

ジョニ・ミッチェル、ジミー・ウェッブ、ジョン・マクラフリン、ラフマニノフの楽曲に自作曲という構成。

クラシックからジャズ、さらにはヴォーカル曲まで纏めたドン・セベスキーが送る音楽玉手箱。

参加メンバーも玉手箱。

 

92点

データ

1973年アメリカ(CTI Records ‎– CTX 6031/32)

プロデューサー:クリード・テイラー

1. Firebird / Birds Of Fire
2. Song To A Seagull
3. Free As A Bird
4. Psalm 150
5. Vocalise
6. Fly / Circles
7. Semi-Tough

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