1960年代に作家集団が1箇所に集まり、数々のヒット・レコードを生み出していたニューヨークの音楽ビル、ブリル・ビルディングに出入りし、作曲家として活動していたエリー・グリニッチの2ndアルバム。
知名度以上に素晴らしいミュージシャン達への楽曲提供、日本でも名前は知らずとも曲は知っているといった有名曲を多数書いていて、60年代ポップスを語る上では外せない人物である。
ブリル・ビルディングではバート・バカラック & ハル・デヴィッド、ジェリー・ゴフィン & キャロル・キング、バリー・マン & シンシア・ワイル、ニール・セダカ & ハワード・グリーンフィールドのようにコンビで活動しているミュージシャンも多い。
その他フィル・スペクター、ローラ・ニーロ、ポール・サイモンやデヴィッド・ゲイツ、クラウス・オガーマン等々一流どころの作曲家が多数在籍。
そんな中、このエリー・グリニッチも後に夫婦となるジェフ・バリーとタッグを組んでいたあたりが作曲家としての最盛期。
彼女が楽曲提供したミュージシャンは数知らず。
ロネッツの「Be My Baby」や「Baby, I Love You」、クリスタルズの「Da Doo Ron Ron」、マンフレッドマン「Do Wah Diddy Diddy」をはじめ、レスリー・ゴーア、ザ・シャングリラス、ジ・エキサイターズ、ディキシー・カップス、モンキーズ・・・・まさに60年代の象徴とも言えるグループ達。
数々の楽曲のデモでガイド・ヴォーカルを務めていたため、付いたあだ名は「デモ・クイーン」。
本作はジェフ・バリーとの離婚後、自らがヴォーカルを取りアルバム制作した2枚目。
Contents
聴きどころ
超有名曲収録という「昔のヒット曲をセルフ・カヴァー」がハイライトにはなるが、1 stアルバムよりもサウンドとして明らかに洗練されているところは現代ポップスの源流とも言える。
その辺りが見方によって「プレAOR」とも捉えることができるのではないだろうか。
ピアノとストリングスをバックに歌い上げる温かい雰囲気の③TODAY I MET THE BOY I’M GONNA MARRYはSSWがお好きな方には特にアピールする1曲だろうし、原曲ではハル・ブレインの刻む3発のキックだけでイントロを決定付けた超有名曲が、3拍子のワルツとなって生まれ変わった⑥BE MY BABY、中年米のリズムが特徴の⑧CHAPEL OF LOVE、ロネッツが歌い、ザ・ビーチ・ボーイズもカヴァーした⑨I CAN HEAR MUSICなど非常に聴きどころ満載の内容。
作家としての功績とヴォーカリストとしての実力のわりには知名度が見合っていない気がするが、個人的にキャロル・キングと同等、もしくはそれ以上のミュージシャンだと思っている。
広く聴いて頂きたい女性シンガー・ソングライターの1人。
データ
1973年:アメリカ(Verve Records – V6 5091)
プロデューサー:エリー・グリニッチ
1. Maybe I Know
2. Wait ‘Til My Bobby Gets Home
3. Today I Met The Boy I’m Gonna Marry
4. And Then He Kissed Me
5. If You Loved Me Once
6. Be My Baby
7. What Good Is I Love You
8. Chapel Of Love
9. I Can Hear Music
10. Medley: Goodnight Baby – Baby I Love You
11. Gettin’ Together
12. River Deep, Mountain High
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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