FINIS HENDERSON / FINIS

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Sagaworld Remaster CD Review
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コメディアンという異色の肩書きを持つファイナス・ヘンダーソン。
そのファイナスが、かなり真面目に作ったアルバムが本日の1枚。


日本でもお笑い芸人が音源を出す事は、昔から良くある事だが、そのほとんどが番組に関連した所謂”企画物”である。
もちろん、正統派の歌手路線としてリリースされた物もあるが、どうしても”芸人”という肩書きがついて回り、正当に評価されないケースが多い。

本作は何のデータも無しに聴けば、その辺の歌手よりもよっぽど優れている良作である。

では、どの辺が優れているのかと言うと、主人公、ファイナスの声に尽きる。
クリアーで爽やか、ファルセットなんかも巧みに使うなど、才能を感じさせる。

Contents

トップ・リコメンド

トップ・リコメンドはダンス・クラシックの定番①Skip To My Louという事になる。
最初聴いた時はシンセ・ベースや打ち込み全開のドラムの音が辛かったが、ビートのファンキーさにヤられてしまった。

聴きどころ

実は個人的にトップ・リコメンドよりも他の曲の方が好みであったりもする。
④You Owe It Allなんて、あまりのメロウさに腰砕けになる事間違いなし。続く⑤Blame It On The Nightもノリが良くキャッチー。そしてルカサー節全開のソロ。
実にイイ仕事ぶりだ。
ちなみにこの曲はナイトフライトのサンディ・トラーノ作曲という事でさらにニンマリ。
パーカッションによるインストと繋がっている⑥Call Meもシングルが切られてもおかしくはないトロピカルなムードが華を添える佳曲。
ボッサ調の⑦Vina Del Mar を挟み、スティーヴィー・ワンダーからの贈り物⑧Crush On Youでトドメ。

 

そして、これらをまとめるのが元EW&Fのカッティング職人、アル・マッケイ。
彼の力は本当に大きい。
先述した①Skip To My Louもアルのカッティングが無かったら、好きにはなれなかったかも知れない。
彼のカッティングを聴いているだけで、”グルーヴ”とは何ぞや?という事を改めて考えさせられる。
音量やフレーズの派手さとは関係なく、これだけ存在感のあるギタリストは、なかなかお目にかかれない。

参加メンバー

スティーヴ・ルカサー、マイケル・ランドゥ、ポール・ジャクソンJr.(G)、トム・キーン、マイケル・ボディッカー(K)、エイブ・ラボリエル、ネイザン・イースト、ニール・ステューベンハウス(B)、ジェフ・ポーカロ、カルロス・ヴェガ、ジョン・ロビンソン(Dr)、フィリップ・ベイリー、ラルフ・ジョンソン、パウリーニョ・ダ・コスタ(Per)、ビル・チャンプリン、スティーヴ・ジョージ、リチャード・ペイジ、ギャリー・グレン(BGV)、ジェリー・ヘイ(Tp)等。
聴き終わってから、こんなに超豪華なメンバーだったのかと気付く(=クレジットよりも内容が勝っている)素晴らしい作品。
衝撃ジャケット入りになるデザインから変更された、サマー・ブリーズを感じ取って頂きたい。

 

90点

データ


1983年:アメリカ(Motown ‎6036ML)

プロデューサー:アル・マッケイ

1. Skip To My Lou
2. Making Love
3. Lovers
4. You Owe It All To Love
5. Blame It On The Night
6. Percussion Intro / Call Me
7. Vina Del Mar
8. Crush On You
9. I’d Rather Be Gone
10. School Girl

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