日本では一般的にジャズのカテゴリに入る事が多いフランク・シナトラ。
もちろんサウンドからジャズに入るのも分かるが、ここまでキャリアがあると、その枠だけに収まらず「アメリカン・ポップスの歌手」と言った方がしっくりくるかも知れない。
そんな理由で、ここではシナトラ作品を取り上げたい。
このアルバムはニューヨークのウォータータウンで、とある男の物語を題材としている、いわばコンセプト・アルバムである。
妻や息子達と別れ、苦悩する男の心情を歌った内容だ。
1970年に発表だが実際には69年にレコーディングしており、その間プライヴェートで様々な問題を抱えていたことや、サウンド・ディレクションがそれまでにない「ロック」(と言っても私達が思う”ロック”ではなく、ポップスに寄っている程度)だったこと、そしてシナトラ自体のパフォーマンスがイマイチ・・・とのことからファンからは総スカンを食らってしまった。
Contents
サウンドについて
ところが!大人で上質なヴォーカル・アルバムとしてサガワ的には好意的に捉えているので、こちらをご覧になっている方には強くオススメしたいのだ。
その要因として、まずコンポーザー兼プロデューサーにボブ・ゴーディオ(ご存知The Four Seasonsのメンバーであり、名曲「君の瞳に恋してる(Can’t Take My Eyes Off You)」の作者として有名な作編曲家)を迎えていること。
そしてアレンジにはチャーリー・カレロ(同じくThe Four Seasonsのアレンジャーとして、日本では山下達郎さん初期ソロ作のアレンジも担当していた)を起用。
流麗なストリングスとトレードマーク的な木管楽器の使い方でオーケストラサウンドをバックにベース&ドラム、そこにヴォーカルが乗る布陣。
美しいオーケストレーションと語りのようなヴォーカルを、さらりと流しながらBGM的に聴くのが一番良い気がする。
ヴォーカルだけが突出して前面にいない分、オケとのパワーバランスが拮抗している・・・・この辺りがAORやソフト・ロック・ファンに充分アピールするのではないかと思うのだ(逆にそういった部分が古くからのファンにスルーされてしまった要因だろう)。
売れ行きが良くなくとも、ファンや評論家からの評価は芳しくなくとも、ポップス・アルバムとして上質であることは保証できる。
就寝前やリラックスしたい時に聴きたい意外性の1枚。
86点
データ
1970年:アメリカ(Reprise Records – FS 1031)
プロデューサー:ボブ・ゴーディオ
1. Watertown
2. Goodbye (She Quietly Says)
3. For A While
4. Michael & Peter
5. I Would Be In Love (Anyway)
6. Elizabeth
7. What A Funny Girl (You Used To Be)
8. What’s Now Is Now
9. She Says
10. The Train
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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