80年代から活躍し、カントリーからロック、ジャズ、R&Bと幅広いジャンルを取り入れ、まさに「ポップス」と呼ぶに相応しい楽曲を提供してくれるシンガー・ソングライター、ランディ・グッドラム。
そんな彼がブルース・ガイチ、デイヴ・イニスと組んだ2018年作(日本盤は2022年)。
カントリーが盛んなナッシュビルでピアニストとしての活動していたが1978年にアン・マレーが歌った「You Needed Me」がビルボードのチャートで1位を獲得するなど、ソングライターとしての評価を得る。
AORファンお馴染みのミュージシャンにも曲提供や共作が多く、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー「It’s Sad to Belong」、マイケル・ジョンソン「Bluer Than Blue」をはじめとしてマイケル・マクドナルド、ケニー・ロジャース、デバージ、ジョージ・ベンソン、パティ・オースティン、アル・ジャロウ、スティーヴ・ペリーなど錚々たる顔ぶれだ。
TOTOの「I’ll Be Over You」もランディ・グッドラムの名を目にする事ができるが、とりわけスティーヴ・ルカサーとの共作が多くなっていて、ソロ作品でも重要な役割を果たしている。
また、日本人ミュージシャンとの繋がりもあり、オフコースや松田聖子、槇原敬之等にもクレジットされている。
ブルース・ガイチはマドンナやリチャード・マークスに曲提供して大ヒットを放ち、エレキもアコースティックも、どちらのプレイも出来る実力派ギタリスト。
奥様は今作にも参加しているソングライター&セッション・ヴォーカリストのジェイニー・クルーワー。
デイヴ・イニスは数々のシングルをカントリー・チャート1位になった実績を持つレストレス・ハートのメンバーだった人物で、本作ではパートがかぶるランディよりもピアノを中心にプレイし、プログラミングでも貢献。
Contents
聴きどころ
アルバムの内容としてはランディ・グッドラムが主導で書いた曲が多い印象を受ける。
決してテクニックがあるわけではないが優しく味のあるランディの歌声には癒される。
日本盤をリリースするにあたり、ウォーレン・ウィービーが歌っている「All I’ll Ever Need」が外れてしまったこと(オリジナル盤のアルバムはウォーレン・ウィービー参加作品を数多く発掘しているスペインのAORレーベルContante & Sonante)は唯一残念な部分だが、却ってそれがGIG名義のアルバムとして統一感にも繋がっているように思う。
近年、AORと呼ばれるジャンルにおいてアメリカや北欧を中心に新世代ミュージシャンが登場しているが、こうした経験のあるミュージシャンが新作をリリースし、しかもそれが健在っぷりをアピールするには充分な内容であるとなると無視することはできない。
改めて強調しておきたいのが、いくらキャリアがあるからといって80年代の懐古主義全開ではなく、しっかりと今時のサウンドにアップデートされた音作りの上に成り立っている作品だということ。
チャートにランクインしたリード・トラックがあるわけでもないが、これぞ「大人向け極上ポップスの世界」を味わうことができる作品。
86点
データ
2018年:スペイン(Contante & Sonante CSCD-0118)
プロデューサー:GIG
※トラックリスト、ジャケットは日本盤仕様
1.Private O’Toole
2.Hernando’s Paradise
3.The Box
4.Peddler, Pete
5.Waiting
6.Ramblin’ Dan
7.Little Flame
8.All There Is
9.Isle Of Pigs
10.Brave New Word
11.Mars, Last Week
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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