10代から活躍し、シンガーとしての名声より作曲家、編曲家としての方が有名なジミー・ウェッブ。
2000年代に入ってAOR再発ラッシュが続く中、人気が高く瞬く間に廃盤になったが、その後も何度か続いたリイシューのおかげで今となってはプレミアが付く事なく比較的入手しやすくなった1枚の82年作。
デビューからシンガーソングライター然とした作品を発表、ソフト・ロック系ミュージシャンとの作品も多い一方で、グレン・キャンベルのようなカントリー・テイストのシンガーともコラボレーションしたりと多彩なセンスを発揮していたが、世の中がAORサウンドに染まり始めると何とデヴィッド・フォスターやTOTO一派とも交流。
なんでも本作は構想から録音、そして発売に至るまで4年もの歳月を費やす事になってしまったそうである。
ジミー・ウェッブといえば、68年にデビュー以来数々のヒット曲を生み出し、バート・バカラックやバリー・マンなどと比べても遜色のない実績を積み上げてきた人物。
その割にはイマイチ知名度が無いのが寂しい所だが、彼の創り出す楽曲にスランプ無し、とも思えるほど、どの作品も水準以上の出来。
そこで当時流行していたAOR寄りにシフトした本作こそが、最高傑作に値する。
全曲通して自身で曲を書き上げ、SSWらしく押し引きのバランスも良い、実にまとまりのある作品。
Contents
参加メンバー
メンバーもAORしていて、スティーヴ・ルカサー、デヴィッド・ペイチ、ジェフ・ポーカロ等のTOTO勢にデヴィッド・フォスター、リー・スクラー、ディーン・パークス、BGVにダリル・ホール(ホール&オーツ)、ケニー・ロギンス、マイケル・マクドナルド(ドゥービー・ブラザーズ)、ヴァレリー・カーター、リア・カンケル、スティーヴン・ビショップなどなど、錚々たるメンツが参加。
聴きどころ
①のタイトル曲などはピアノ連打に3連のリズムなど定番中の定番、AORマナーから始まり微笑ましい。
アート・ガーファンクルに提供した④Scissors Cutはジミーらしい優しい楽曲。
参加メンバーにヴォーカリストが多いせいか、コーラス・ワークのハーモニーなども綺麗でメロディに力を入れている事がすぐに分かる。
それにスティーヴ・ルカサーもこの頃はまだメロディックに弾いてくれているのが嬉しい(笑)
同じくアートに提供している⑨In Carsも注目。
ジミーが生み出すメロディからはアートの歌う姿を想像が出来そうなぐらい2人の相性がピッタリと合っていると思えるのは私だけではないはず。
そこにAORファンにはお馴染みのスティーヴン・ビショップが絡めば先の2人でコンビではなくトリオで組んでアルバムを出してほしいとも思う。
単純にジミー・ウェッブを追いかけてきたファンには異色扱いされる事も多い本作だが、AOR観点で見ればハイ・クオリティなアルバムである事は間違いない。
未聴のソフト・ロックファン、SSWファンの方がいれば、ぜひオススメしたい。
85点
データ
1982年:アメリカ(Columbia – FC 37695)
プロデューサー:フレッド・モーリン、マシュー・マッコーリー
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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コメント
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