優しい歌声で人気を博したビル・ヒューズにはAORの名盤『』があるが、こちらはそれ以前に組んでいたグループの名作で1971年発表。
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サウンドについて
1971年といえば、一般的にAORというジャンルが誕生したとされる76年よりも、遥か昔、5年も前の作品で、所謂プレAORとしてもかなり早い時期の作品。
60年代から70年代は他の年代に比べて、密度の濃さが全く異なるので、1年1年がとても重要な年代である。
ロックが一気に多様化し、有名バンドは総じてこの時期にデビューしているのは言わずもがな。
ラザルスに関して言えば、60年代にロックの火付け役を担った、フォーク・ロックの流れ組むサウンドで、ドリーミーなコーラス・ワークが特徴で美しい。
そういう意味で私の中ではAORというよりソフト・ロックに近い印象を受ける。
ただ、ソフト・ロックの中でもコード自体が凝っているせいか、もっと都会的で洗練されているという点が、その後のAORに通じる部分であるのは確か。
サウンドはオーガニックという言葉がピッタリで、アコースティック・ギターを中心にピアノやヴァイオリン、ベースなど非常にシンプル。
温かみのあるサウンドとはこの様な音を指すのだという典型だ。
当時、サイモン&ガーファンクルやボブ・ディランと並んでフォーク・ロックのトップに君臨していたPP&Mのピーター・ヤーロウが目をかけたのも納得出来る。
素朴で朴訥としたサウンドとビル・ヒューズの歌声に癒されること間違いなし。
82点
データ
1971年:アメリカ(Bearsville – BR 2044)
プロデューサー:ピーター・ヤロウ、フィル・ラモーン
1. Refugee
2. Whatever Happened
3. Looking Through
4. Listening House
5. Circuit Rider
6. Warmth Of Your Eyes
7. Blessed
8. Eastward
9. Memory Of A Stranger
10. Doncha Cry
11. Rivers
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