杏里の「オリビアを聴きながら」や松田聖子、松本伊代、観月ありさなど数々の女性アーティスト、アイドルに楽曲提供してきたシンガー・ソングライター、尾崎亜美のL.A.オールスターズとの奇跡のような組み合わせ(82年発表)。
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聴きどころ
①Love Is Easyなどは日本人離れしたスケールを持った曲で、グイグイと引っ張るテンポ感が良い。
イントロからサックスが絡み、ヴァースでをエレピバッキング、ブリッジでは間を活かしたリズムはAORそのものである。
彼女の歌声もふんわりとした雰囲気とは想像が付かないぐらい「カッコイイ系」で男前である。
こんな曲を自ら創って歌ってしまうなんて、こういう人を「シンガー・ソングライター」と呼ぶのだと改めて気付かされる。
③キャッツ・アイのような可愛らしい歌詞、アレンジなどは如何にも80年代ポップスのようだが、バウンスするビートは気持ちよく、なかなかファンキーである。
④は掛け合いのサビがキャッチーでカッコイイと思ったら、後半はテンポを落としバラードのように終わっていくという凝った作り。
⑤Angelaに至ってはAIR PLAY/TOTO路線=ロマンティック・ハードネスをそのまんま再現したいが為に作ったのではないかと思うぐらい(苦笑)、アルバムには無くてはならない跳ねものである。
ヒットしたラストの⑨蒼夜曲もトゥッティを多用したTOTOではお馴染みのアレンジにデヴィッド・フォスターお得意のストリングスを絡めてドラマティックに展開するピアノ曲に持って行くなどニヤリとさせられる場面が多い。
参加メンバー
このアルバムではデヴィッド・フォスターがアレンジを全曲担当し、ニック・デカロがヴォーカル・アレンジという、それだけでも豪華だが、さらにバックのメンバーはジェイ・グレイドン、スティーヴ・ルカサー、ジェフ・ポーカロとお馴染みAIR PLAY/TOTOメンバー。
即ち当時最先端のトレンドであり、実力者揃いという事である。
さらにニール・スチューベンハウス(B)、トム・キーン(Arr)を加え、エンジニアにはアル・シュミットを起用するという隙のない陣容。
良くも悪くも当時のトレンドを堪能出来るので、アレンジや演奏面での生々しいサウンドは80年代を感じるにはもってこいの一枚。
76点
データ
1981年:日本(F-Label – C28A0163)
プロデューサー:尾崎亜美、渡辺有三
1. Love Is Easy
2. 身体に残るワイン
3. キャッツアイ
4. 限りない憎しみの果てに ~花が咲いたよ~
5. Angela
6. Prism Train
7. Wanderer In Love
8. 蒼夜曲 セレナーデ
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