STEVE KIPNER / KNOCK THE WALL

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Sagaworld Remaster CD Review
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今更説明の必要がないぐらいAORの超名盤。
なぜかと言えば、主人公スティーヴ・キプナーを差し置いてプロデュースにあたったジェイ・グレイドンの神懸かり的とも言える才能を充分堪能出来るからである。

Contents

ストーリー

父であるナット・キプナーがビージーズの作品制作に関係した事もあり、スティーヴもビージーズのレコーディングに参加。
幼少の頃より過ごしてきたオーストラリア時代からの知り合いであるロジャー・デイヴィスとマネージメント契約。
デモテープをジェイ・グレイドンのプロデュースで制作するも様々な事情から、お蔵入りとなる。
その後ロジャーの活躍によりアルバム制作の契約を勝ち取る。
そこで先のデモにプラスして楽曲を追加し、出来上がったのが本作というわけである。

参加メンバー

参加メンバーはデヴィッド・フォスターはもちろん、ラリー・カールトン、ジェフ・ポーカロ、マイケル・オマーティアン、ビル・チャップリン、ロビー・ブキャナン、グレッグ・マティソン、トム・ケリー等、豪華メンバーながらもヒットには繋がっていない。

 

そんなアルバムが良くも悪くもジェイ・グレイドンの強い個性と相俟って彼を崇拝するAORファンには受け入れられる作品になった。
完璧主義のジェイがプロデュースする作品というのはフレーズ1つにしても”計算され尽くされている”事が多いのだが、この作品では自らのギターで華を添えるどころか、かなり弾きまくっている。
そのスリルがファンとしてはかなり嬉しいのだが、同時にシンガーのポジションを1つ奥に置いた恰好になってしまった。
こう書くとネガティヴな印象を与えてしまうかも知れないが、元々AORはシンガーの強い個性をそこまで必要としない(上手い下手や、立ち位置の問題も後ろの楽器隊とのバランスが重要)ジャンルでもあるので最低限の力があれば問題ない。
それよりもスティーヴにクリエーターとしての資質があった事の方が重要である。
それは楽曲が良い事の証明でもある。

 

現に本作の後はロッド・スチュアートをイメージして書いたという「PHYSICAL」がロジャー・デイヴィスの尽力もあったものの、オリビア・ニュートンジョンがレコーディングすることになり、82年に大ヒットを記録。
1人のシンガーというより、作家としてスティーヴ・キプナーの評価が高まった。

長年廃盤でプレミアが付いていたが、最近ボーナス・トラック収録で再発された。


91点

データ

1979年:アメリカ(Elektra ‎– 6E-202)
プロデューサー:ジェイ・グレイドン、スティーヴ・キプナー、トム・ゾイヘルド
1. The Beginning 
2. Knock The Walls Down 
3. Lovemaker 
4. School Of Broken Hearts 
5. War Games 
6. I’ve Got To Stop This Hurting You 
7. Love Is It’s Own Reward 
8. Cryin’ Out For Love 
9. Guilty 
10. The Ending

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