JaR / SCENCE29

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Sagaworld Remaster CD Review
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ジェイ・グレイドンとランディ・グッドラムという大物2人によるユニットで08年発表。
昨今のアーティスト低年齢化に「もの申す!」ぐらいの勢いで頑張るオジサマ2人による大人の為のオサレポップス。

Contents

聴きどころ

グループ名は「Jay and Randy」の略という何とも安直なネーミングだが、サウンドの方はそう簡単ではない。
何せ百戦錬磨の経験がある2人なので、楽曲のコンポーズやアレンジはもちろん、レコーディング、プロデュースまで一切をこなし、足らない所はDAW環境(PCによる打ち込みやレコーディング)で補うという純度100%共同作業という事である。

 

ビ・バップのアルバムを出すほどジャズにも精通しているジェイなので、大方は予想出来たもののランディとの組み合わせでここまで洗練されていると「さすが、ジェイ先生」と思わずにはいられない。

 

AOR界にも北欧を中心とした若い新しい勢力は出始めており、スムース・リユニオンやタルク、99年にアルバム発表と少し前だがサミュエル・パーディーなどの所謂「スティーリー・ダン・フォローワー」の存在が注目されている。
確かに巷で言われているように、このJaRもそうした要素は含んでいる事は否定出来ないし、何よりランディの朴訥としたヴォーカルはドナルド・フェイゲンに似ている。
ただ、彼は若い新興勢力と違い、スティーリー・ダンとも同じ時代を過ごしてきたキャリアのあるミュージシャンである。
本作を創るにあたっては、やはり自身の経験に基づくものが大きかったのではないだろうか。
影響を受けてきた世代と、リアルタイムで過ごしてきたミュージシャンの違いを感じるので、単純に「流行にのったスティーリー・ダン・フォローワー」と見る事は出来ない。

 

その中には当然、ジェイのトレード・マークであるハーモナイズド・ギターも多分に含まれている。
これは言ってみればジェイの「オリジナル」である。

ポップス、ジャズをベースに展開される落ち着いたサウンドはキラー・チューンこそ無いが、アルバム全体として楽しめる作りになっている事だけは明言しておきたい。

80点

データ

2008年:スウェーデン(Zink Music ‎– ZMCD 005)

プロデューサー:ジェイ・グレイドン、ランディ・グッドラム

1. Cure Kit
2. Call Donovan
3. Esquire
4. Make Somebody
5. Your Heartbreak
6. Worlds Apart
7. Scene 29
8. GPS
9. Crumble Down
10. Glen’s Hair
11. The Cabo Cad

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