フレンチ・ポップス界の貴公子、ミシェル・ポルナレフがリリースしたAORアルバムがあった!
というわけで全編英語での詞による、本場アメリカでのレコーディング、さらにはミュージシャンも超一流スタジオ・ミュージシャンというわけで、まさにポルナレフ流AORに認定して良い作品。
先ず一聴してそれまでのポルナレフとは明らかに異なるサウンド、曲調に驚かされる。
アコースティック・ギターを用いたフォーキーなサウンドや得意のピアノを使ったクラシカルなアプローチに独特のメロディとフランス語が乗るのがポルナレフのスタイルだったはずだが、ここで聴けるのは天界の多さこそポルナレフ節を残しているが、紛れもなく本気で世界(=アメリカ)のマーケットを意識したポップ・アルバムという点である。
それをよく表しているのが参加メンバーの多さだ。
Contents
参加メンバー
錚々たる面子を見て、アメリカでの成功という気合の入れようが伝わってくる。
ジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、ナイジェル・オルソン(Dr)、ラス・カンケル(Per)、デヴィッド・ハンゲイト、リー・スクラー、ウィリー・ウィークス(B)、リー・リトナー、アンドリュー・ゴールド、スティーヴ・クロッパー、フレッド・タケット(G)、ボビー・キング、ジェニファー・ウォーンズ、リア・カンケル、ルイス・フューレイ、ヴァレリー・カーター(BGV)、ジミー・ハスケル、マイケル・オマーティアン(Arr)等その他多数。
ソウル、フュージョン、ウエスト・コーストからAORとジャンルも様々、あまりにも豪華過ぎて若干胸焼けしそうなぐらい、とにかく一流どころを手当たり次第掻き集めた印象。
聴きどころ
アルバム・タイトルにもなっている①Fame A La Modeは展開が多く、フレンチ・ポップス+アメリカン・ポップスを洗練させてブレンドしたかのような作品は明らかにそれまでのポルナレフを愛聴した者にとっては異質である。それ故、最初に聴いた時の印象がより強烈。
明るくアーシーでアコギのストロークをフィーチャーした②No, No, No, No, Not, Nowはポルナレフ流カントリー・ミュージックと言ってもいい。キャッチーなサビと短くポップにまとめ上げられた⑤Come On Lady Blue、AOR/CCM調の⑦Jesus For Tonightなど曲調からもアメリカを強く意識していることを感じさせる。
結果的に残念ながら成功には至らなかったが、フランス語よりも英語に馴染んでいる日本人としては通常のアルバムよりも却って聴きやすい作品かも知れない。
1974年にリリースした『MICHEL POLNAREFF』は邦題を『ポルナレフ革命』と呼んだが元々は『Polnarêve』のタイトルが付けられていた。
マスターが焼失してしまうトラブルがあり紆余曲折日本でリリースされた際には曲順、タイトル共々変更となり、付けられたのが『MICHEL POLNAREFF』である。
本作もアメリカのマーケットを存分に意識した『MICHEL POLNAREFF』がタイトルだった為、先の『ポルナレフ革命』と混同してしまうので、もう一つのタイトル『Fame A La Mode』を採用している。
また邦題も『ポルナレフU.S.A.』から『星空のステージ』に変更され、さらに紛らわしくなった。
84点
データ
1975年:フランス(Atlantic – 50 195)
プロデューサー:ミシェル・ポルナレフ、ビル・シュネー、ビル・ハルヴァーソン、グレッグ・プレストピノ
1. Fame A La Mode
2. No, No, No, No, Not, Now
3. Wandering Man
4. So Long Beauty
5. Come On Lady Blue
6. Rainy Day Song
7. Jesus For Tonight
8. Holding On To Smoke
9. Since I Saw You
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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