フレンチ・ポップス界きっての才女、フランソワーズ・アルディ。
1962年18歳で『Tous Les Garçons Et Les Filles(男の子女の子)』でデビュー。
ジェーン・バーキン、フランス・ギャル、シルヴィ・ヴァルタンと並び称される『イェイェ四天王』の一人。
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サウンドについて
フレンチ特有のウィスパー・ヴォイスのように囁くように歌わず、この人の場合はまるで子守唄を歌うかのような”癒し”を与えてくれる歌声が特徴。
弾き語りから、ボッサ、そしてポップスを歌いこなし、後に自作自演曲を中心とするシンガーソング・ライターに転身。
途中ディスコにも寄ったりもするが、いつの時代もソロでファンを魅了してきた人だ。
名門ソルボンヌ大学出身のせいか、アルディにはどの作品にも知的な要素を感じる。
楽曲を自作することもそうだが、騒いで終わるような一般的アイドルとは異なる。
そういう意味では他のアイドルよりも少し大人の印象。
後に本業の歌手以外でもモデルとして活躍した人なので、高身長で落ち着いた美貌から学級委員タイプの美少女的存在。
トップ・リコメンド
ジェーン・バーキンの旦那でありフレンチ・ブームの仕掛け人と言ってもいいセルジュ・ゲンスブールのプロデュースした①Comment Te Dire Adieu ? (It Hurts To Say Goodbye)がトップ・リコメンド。
邦題「さよならを教えて」として73年に日本でもリリースされて大ヒット、その後もCMで使用されるなど、ご存知の方も多いであろう名曲である。
あまりにも有名なので、セルジュのオリジナルと思われそうだが、67年にイギリスのヴェラ・リンが歌ってヒットした楽曲「It Hurts To Say Goodbye」にセルジュが歌詞を新たに付けたものである。
原曲はもっとスローで完全な歌謡曲なのだが、これをポップに変身させたセルジュの手腕も見逃せない。
聴きどころ
その他セルジュの楽曲である③L’Anamourや3連のピアノが美しい⑤Il N’Y A Pas D’Amour Heureux、壮大なストリングスが心揺さぶる⑦Parlez-Moi De Lui (The Way Of Love)、ジャジーなバラード⑩La Rue Des Cœurs Perdus (Lonesome Town)、⑫La Mer, Les Étoiles Et Le Ventなど聴きどころが多い。
セルジュの楽曲だけに頼らず、自身のオリジナルやレーナード・コーエンのカバーを含む、フレンチ・ポップスの名盤。
歳を重ねてもずっと聴けるような作品なので、まだフレンチは聴いたことがないという年配の方にもオススメ。
88点
データ
1968年:フランス(Disques Vogue – CLD-728)
プロデューサー:
1. Comment Te Dire Adieu ? (It Hurts To Say Goodbye)
2. Où Va La Chance ? (There But For Fortune)
3. L’Anamour
4. Suzanne
5. Il N’Y A Pas D’Amour Heureux
6. La Mésange (Sabiá)
7. Parlez-Moi De Lui (The Way Of Love)
8. À Quoi Ça Sert ?
9. Il Vaut Mieux Une Petite Maison Dans La Main Qu’Un Grand Château Dans Les Nuages
10. La Rue Des Cœurs Perdus (Lonesome Town)
11. Étonnez-Moi, Benoît…!
12. La Mer, Les Étoiles Et Le Vent
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