昭和時代に若干16歳でレコード・デビューし美空ひばり、江利チエミと共に「三人娘」と称された雪村いづみが1974年にキャラメル・ママをバックに歌いまくる音源。
昭和歌謡を代表する歌手がこちらに登場するのを疑問に思う方もいるかも知れないが、これが内容を聴くと納得せざる得ない出来で、これぞ「名盤」と言われるのも決して過言ではない。
そもそも、この時代の「歌手」というのは今で言うポップスはもちろんだが、ジャズからシャンソン、ブルース、ラテンなど幅広いジャンルを歌いこなしていた。
様々な曲調を数多く歌っていた経験からか歌の上手い人が多い。
1974年にはキャリアとして既に20年を誇り、その「記念」としての企画モノ音源が本作である。
その企画とは、こちらもまた昭和を代表する作曲家である服部良一の楽曲を雪村いづみが歌うというもの。
そんな中で組んだのが新進気鋭の若手ミュージシャン集団キャラメル・ママである。
キャラメル・ママとは後にティン・パン・アレーと改名し、メンバーは松任谷正隆(K)、鈴木茂(G)、細野晴臣(B)、林立夫(Dr)からなる今となっては全員が1つのバンドに集まっていたのが信じれらないぐらいのミュージシャンによるスーパーバンドである。
1974年時点でこのサウンドは早く、この時代に言わば懐かしの名曲達をキャラメル・ママを中心に斬新なアレンジでアプローチしたのは実験的要素もあったのではないか、と今の時代に聴くとよく分かる。
そしてそんな新しいサウンドでヴァラエティに富んだ楽曲達を相手に堂々と歌い上げる雪村いづみも凄い。
声量、安定感などは言わずもがな、グルーヴ感溢れる”ノリ”が素晴らしい。
ファンキーかつトリッキーなリズムが多いバッキング相手に、ぶつかり合うような歌いっぷりは、ある意味ロックの精神である。
Contents
トップ・リコメンド
一聴すると少し捻ったリズムにブレない歌唱が味わえる⑤銀座カンカン娘、細野&林のリズム体が奏でる16ビートのグルーヴ感が光る⑥東京ブギウギは必聴。
曲良し、アレンジ良し、歌良し、演奏良し、と全てがハイ・クオリティな一枚。
こういう作品こそ「名盤」と呼ぶに相応しい。
未聴の方は、ぜひこのガチンコ・バトルを聴いていただきたい。
昭和、平成、令和と時代が変わってもずっと聴き続けられる作品だ。
95点
データ
1974年:日本(Columbia – JDX-7037)
プロデューサー:村井邦彦
1.序曲<香港夜曲>
2.昔のあなた
3.ヘイヘイブギー
4.バラのルムバ
5.銀座カンカン娘
6.東京ブギウギ
7.胸の振り子
8.一杯のコーヒーから
9.蘇州夜曲
10.東京の屋根の下
モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!
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