THE SUPREMES / The Supremes Produced And Arranged By Jimmy Webb

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ヴォーカルにジーン・テレルを迎えた新生スプリームスがソフト・ロックファンにはお馴染みの大作曲家ジミー・ウェブとタッグを組んで作られたモータウンきってのハーモニー・ポップが楽しめる1枚。

カッコイイ、センスの良いジャケットはAORファンならば反応してしまいそうだが、中身は美しいメロディとハーモニーが詰まっていてソウル+ソフト・ロックが程よくブレンドされている。

ダイアナ・ロスがいなくなった事でスプリームスではないという熱心なファンを黙らせるかのような通好みの隠れた名盤と呼んでもいいのではないだろうか。

ストレートに言ってしまえば、本作は良い。かなり良い。

テディ・ランダッツォがプロデュースしたロイヤレッツ『IT SGONNA TAKE AMIRACLE』(65年作)や『THE ELEGANT SOUND OF THE ROYALETTES』(66年作)、 一連のマーヴェレッツ作品など60年代ガール・ポップがお好きな方にはオススメ。

 

スプリームスといえば、どうしてもその後の活躍からもダイアナ・ロスという名前ばかりが挙げられ、「ダイアナ・ロスがいたグループ」「ダイアナ・ロスとその他のメンバー」というような扱いをされがち。(これに関してはインタビューのコメントなどからメンバー達も思うところは色々とあった模様)

だが本作を聴く限り、彼女が不在の大きさを感じず、知らずに聴いたら良質なソウル・ミュージックを披露してくれているのでファンになってしまう方は多いように思える。

反対に言えば、ただグループ名が「ダイアナ・ロスが在籍していた時と変わっていない」というだけなのだ。

 

そして全編に渡ってプロデュースとアレンジを担当したジミー・ウェブの功績を取り上げないわけにはいかない。

わざわざタイトルにも名前が入るほどなのだから、彼の存在が如何に大きいか、ということだ。

元々は1965年に「My Christmas Tree」でスプリームスに楽曲提供していることから交流はあったわけだが、ウェブが1967年にフィフス・ディメンションのヒット曲で、デビュー・アルバムのタイトルにもなった全米トップ10入りした「Up, Up and Away」やグレン・キャンベルの作品でこちらもアルバムタイトルとなった「By the Time I Get to Phoenix」を提供するなど、ヒットメーカーとして成功を収めていた。

両者は継続してウェブ作品を歌い、他にもジョニー・リバースやリチャード・ハリス等、次々にヒット曲を生み出す。

同じくジミーがプロデュースしたテルマ・ヒューストンの作品もソウルとソフト・ロックの中間的な作品なので同系列にあるといっていい。

Contents

サウンドについて

アルバムの中身に関してはスプリームスのメンバーが歌うことによって”ソウル・ミュージックっぽさ”は残っているが、曲調はスロー〜ミディアム・テンポでウェブ特有の美しいストリングスを纏った曲が多くあり、アップテンポや明るいメジャー・キーのものはポップス、ロックなど一口に「ソウル」という枠に捉われない幅広さを持っている。

ジーン・テレルだけでなく、オリジナル・メンバーの一人であったメアリー・ウィルソンの歌声などもフィーチャー。

ジミー・ウェブの力が大きいとはいえ、アルバム全体のクオリティは相当高い。

ダイアナ・ロス脱退の影響が大き過ぎたせいか、当時の評価があまり芳しくなかったからこそ音源として聴ける今、改めて評価したい作品である。

 

85点

 

データ

1972年:アメリカ(Motown – M756L)

プロデューサー:ジミー・ウェブ

1. I Guess I’ll Miss The Man
2. 5:30 Plane
3. Tossin’ And Turnin’
4. When Can Brown Begin
5. Beyond Myself
6. Il Voce De Silenzio (Silent Voices)
7. All I Want
8. Once In The Morning
9. I Keep It Hid
10. Paradise
11. Cheap Lovin’

モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!

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