TOM WAITS / Closing Time

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酔いどれ詩人、奇人とも称される唯一無二のビター・ヴォイスの持ち主、トム・ウェイツの1973年デビュー・アルバムは今となっては紛れもなくウェストコースト・サウンドを代表する名盤中の名盤。

何がそんなに人々の心に響くのか。

酒ヤケしたような独特のしゃがれ声がかなり特徴的で、本作発表時、若干24歳の青年の歌声とは思えないほどの渋みが強烈。

だが、その声が時に心地良くさえ感じるのは緩やかなオケのサウンド・プロダクション実に巧み。

プロデュースにソフト・ロック・ファンにはお馴染みのジェリー・イェスター(ex.THE LOVIN’ SPOONFUL、THE MODERN FOLK QUARTETのメンバーでアソシエイションのプロデューサーも務めた)のクレジットもあるが、その名前を必要としないぐらい個性的なミュージシャンがトム・ウェイツである。

アコースティックあり、ジャズあり、ブルースあり、R&Bありとアルバム内でも様々な顔を見せてくれるトム・ウェイツだが、それまで流行っていたフォーク・ロックとは異なり、アルバムジャケットにも写るようにピアノが大半で使われており、楽曲の中でも占有率が高い。

俗に言う”古き良き時代”を感じるバーでかかっていたら、一聴してノック・アウトされてしまいそうである。

美しくムーディなオケと苦味の効いた声、そしてルー・リードではないが、時にボソボソとポエトリー・リーディング的な歌い方は「声も楽器の一部」と言わんばかりのスタイルだ。

Contents

トップ・リコメンド

トップ・リコメンドは後にイーグルスにもカヴァーされることになる①Ol’ ’55。

ピアノとアコースティックギター、ベース、ドラムを中心としながらアルバム中、最もポップで歌モノに寄った楽曲であることから、一番聴きやすいのではないだろうか。

続く②I Hope That I Don’t Fall in Love with Youは一転、複数のアコースティック・ギターをフィーチャーした弾き語り曲。

特にジャジーな楽曲こそ、ウェイツの歌声は映えるので③Virginia Avenueや、その名の通り深夜の子守歌として聴かせてくれる⑤Midnight Lullaby、⑩Little Trip to Heaven (On the Wings of Your Love)などはその代表格で、①Ol’ ’55に次いで推したい。

またピアノ主体で語りかけてくれるかのような歌声の⑥Martha、⑦Rosie、Grapefruit Moonなど極上のスロー・ナンバーも聴かせてくれ、絶対に抑えておきたい楽曲達だ。

アッパーだけども、あくまでもウェイツ・スタイルを崩さないジャジー+ロックン・ロールな⑨Ice Cream Manもオススメ。アウトロでクロスフェードしながらインしてくるオルゴールがニクイ演出。

 

ウエストコースト・サウンドの象徴であるアサイラム・レコードの中ではロックという部分が強調されがちなので、そのイメージで語れてしまうとウェイツのようなミュージシャンは異端かも知れないが、よくぞ見つけてくれたと思わずにはいられない生粋のシンガー・ソングライターだ。

タイトル『Closing Time』が示す通り、夜の深い時間に聴くとハマる雰囲気はアーバンなAORとはまた違う魅力があり、捨て曲一切無しの大人の音楽。ジャケットのデザインも◎

 

93点

 

データ

1973年:アメリカ(Asylum Records – SD5061)

プロデューサー:ジェリー・イェスター

1. Ol’ ’55
2. I Hope That I Don’t Fall in Love with You
3. Virginia Avenue
4. Old Shoes (& Picture Postcards)
5. Midnight Lullaby
6. Martha
7. Rosie
8. Lonely
9. Ice Cream Man
10. Little Trip to Heaven (On the Wings of Your Love)
11. Grapefruit Moon
12. Closing Time (Instrumental)

モッズ野郎サガワトモユキが参加するポップスバンド、ザ・ナイト・フライヤー(通称:ナイフラ)関連ページはこちらからどうぞ。60’Sアメリカン・ポップス、フレンチ・ポップス、AOR、MOR、シティ・ポップス、ソフト・ロックファンへ贈る!!

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