AORファンは聴かなきゃ損すると宣言してしまいたいぐらいCCMの大名盤。
衝撃ジャケ殿堂入りしそうな勢いも、これほどギャップのある作品は珍しい。
その優しさに溢れたメロウ・ヴォイスに、どこまでもオーガニックなサウンドをエレガントにまとめ上げたサウンド・・・これぞまさにAORの神髄。
71年のデビューで、本作は実に10年目の81年作品になる。
元々は実験的要素の強いグループであった「Love song」に在籍。
74年の活動停止後はプロデューサーとして何百枚ものCCM作品を手掛ける。
そこで名声を得たトミーが制作した久々のアルバムが、このアルバムであるというわけだ。
Contents
聴きどころ
まずはタイトル曲の①Love Is The Keyを聴いてみて頂きたい。
ソフトな音色ながらもタイトにキメてくるリズムに揺れるエレピのサウンド、そしてトミーの声に心は鷲掴みにされてしまう事だろう。
それにこの少し切なさ、哀愁漂うメロディ・・・・。(少しというのがポイントで、あまりにも前面に押し出されていたら暗い雰囲気になってしまう)
これはアルバムを通して終始一貫聴かれる彼のスタイルで、こんなに素晴らしい曲をたくさん書けるトミーに嫉妬してしまうぐらいだ。
ラテン・ビートに乗せたメロウ・サンバ⑥Thinkin’ Of Youは技アリの楽曲だし、 ⑧He’s A Liarも、それまとは違うタメを利かせたリズムで聴かせてくれるメロウ・ファンク。
トップ・リコメンド
トップ・リコメンドはラストの⑨Don’t Be Afraid。
大袈裟ではなく涙なしでは聴けないトドメのバラード。
BGVのケリー・ウィラードの透き通るような声がまた印象的でトミーのヴォーカルとの相性も抜群。
参加メンバー
バックは伝説のフュージョン・バンド、コイノニアのメンバーが中心で堅実な演奏技術を披露。
どの曲を聴いても心に染み入るメロディ・ラインで所謂捨て曲、穴がまったく見(聴き)受けられない。
とにかく素晴らしいアルバム。
同じく大名盤に数えられているブルース・ヒバートのアルバムに一歩も引けを取っていない。
それどころか、個人的にはそのブルース・ヒバートをも凌ぐCCMでもっともオススメ出来るアルバムである。
96点
データ
1981年:アメリカ(Maranatha! Music – MM0084A)
プロデューサー:トミー・クームズ
1. Love Is The Key
2. I Owe Everything To You
3. The Pleasure’s Mine
4. Hidden Treasure
5. Singing Our Praises To Jesus
6. Thinkin’ Of You
7. A Faithful Witness
8. He’s A Liar
9. Don’t Be Afraid (Just Walk With Him)
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