独特の声でソウルフルなヴォーカルが持ち味のビル・ラバウンティによる2ndアルバム。
AOR屈指の名曲「Livin’ It Up」が収録され、自身の名前がアルバムタイトルとなっている『Bill LaBounty』が82年作なので、本作はそれよりも4年前に発表されたことになる。
AORの名曲を集めたベスト盤には必ずと言ってもいいほど毎回収録され、多くのミュージシャンにカヴァーされた事も考慮すると「Livin’ It Up」の影響はかなり大きい。
ビル・ラバウンティの名を知らずとも、この曲に聴き覚えがある方もいるかも知れない。
そんな曲がアメリカのアルバムによくある「一押しを冒頭に持ってくる」方式で、いきなりトップ・リコメンドとなる曲が聴けるのが通例。
Contents
トップ・リコメンド
本作も御多分に洩れず、トップ・リコメンドとなる楽曲が冒頭に収められているタイトル曲①This Night Won’t Last Foreverだ。
コーラス(サビ)で合いの手となる女性バックグラウンド・ヴォーカルが印象的で、1にも2にも、この曲が全て。
これを聴いて気に入らないければ、その後を再生する必要はない。
AOR的観点から言えばビル・ラバウンティの曲をいくつもカヴァーしているマイケル・ジョンソンが『The Michael Johnson Album』で取り上げた。
こちらは本家よりもヒットとなり(ビルの方は全米65位止まりだったが、マイケルヴァージョンは19位を記録)、日本ではドラマにも使われていた事もあるようだ。
また、マイケル・ジョンソンだけでなく、フランキー・ヴァリやランディ・クロフォード等にもカヴァーされていることからミュージシャンにも慕われる楽曲が書けるのも強み。
参加ミュージシャンはジェフ・ポーカロ、ジム・ゴードン、マイク・ベアード、デヴィッド・ガリバルディ(Dr)、デヴィッド・シールズ、リー・スクラー(B)、ラリー・ネクテル(K)、ディーン・パークス、リー・リトナー、レイ・パーカーJr.(G)等、なんと総勢30人以上を起用。
そういう意味では参加ミュージシャンの力も大きく、主人公となるシンガーと一体となって楽曲に貢献しているところが如何にもAORらしいサウンドに仕上がる所以だろう。
サウンド的に地味で、ヴォーカル自体はお世辞にも「巧い」タイプではないが、温もりがあって丁寧な歌いっぷり、嫌味のない洒落たプロダクションは非常に好感が持てるミュージシャン。
キャリアを振り返っても大ヒット曲となるような実績があるわけではないが、心に残るような曲を書き続ける、安定した人気があるのも頷ける優れたシンガー・ソングライターだ。
85点
データ
1978年:アメリカ(Curb Records – BSK 3206)
プロデューサー:ジェイ・センター
1. This Night Won’t Last Forever
2. Room 205
3. In 25 Words Or Less
4. Open Your Eyes
5. Little Girl In Blue Jeans
6. Lie To Me
7. Who’s Gonna Hold You
8. Crazy
9. A Tear Can Tell
10. I Hope You’ll Be Very Unhappy Without Me
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