Chad & Jeremy / The Ark

スポンサーリンク

可愛らしいジャケットのイラストが印象的だが、中身は切れ味鋭いサイケデリックなアルバム。

それまでのチャド&ジェレミーが歩んで来た道筋を考えると大きく路線変更した2作目であるが、これがまたソフト・ロック的に見て、実験的要素を含むとんでもない内容。

サウンドについて

これほどガッチリとコンセプトを意識して制作されたアルバムはあまりない。

組曲のような・・・・一聴すると大袈裟とも言える展開を次々に繰り広げるサウンド・プロダクションは、まるで演劇を見ているようである。

プロデュースはミレニウムやサジタリアスといったソフト・ロックの大名盤を生み出したゲイリー・アッシャーというから納得。

前作『Of Cabbages and kings』からのプロデュースで、作品もそこからサイケデリック路線になった。

おもちゃ箱のように何が飛び出てくるか分からないサウンドや飛び道具として至る所に配置されたSEが実に効果的。

元々はソフト・ロック界のサイモン&ガーファンクルと評される彼ら。

形態こそデュオだが、アルバムではバンド・サウンドを聴かせるのでフォーク・ロックに分類される。

作曲はジェレミー・クライドが担当し、アレンジはすべてチャド・スチュワートが担当という完全なる分業制。

しかもほとんどの楽器を彼ら自身が巧みにこなすというから、クリエイターとしてだけでなく、プレイヤーとしても優秀。

ポップでフォークなサウンドだと如何にも”アメリカ”を想像してしまうが実はイギリス出身のデュオであるというのが意外だ。

ただ、やはりと言うべきか本国イギリスよりもアメリカで人気を博した為、活動拠点を移した経緯がある。

60年代でイギリスからアメリカに拠点を移したとなれば、ビートルズをはじめとする「ブリティッシュ・インヴェイジョン」を担ったグループの一つと考えてもいいだろう。

こういったコンセプト・アルバムだとトップ・リコメンドを挙げると言うよりもトータルで聴いてこその価値があるのだが、何曲か特に印象に残った楽曲を挙げておこう。

シタールなど民族楽器も取り入れたラーガ・ロックの②Sunstroke、アルバム・タイトル曲でもある③The Ark、サイケなサウンドそのままな⑦Pipe Dream、

ポップなメロディーにブリティッシュ・トラッドとカリフォルニア・フォークを高いレベルで融合させたサイケ・ポップの大名盤。

商業的には失敗に終わり、デュオは解散してしまうが、社会問題も取り上げた歌詞などの影響もあり後年評価された作品。

これがラスト・アルバムなんて信じられない。

90点

データ

1969年:アメリカ(Columbia ‎– CS 9699)
プロデューサー:ゲイリー・アッシャー

1. The Emancipation Of Mr. X
2. Sunstroke
3. The Ark
4. The Raven
5. Imagination
6. Painted Dayglow Smile
7. Pipe Dream
8. Transatlantic Trauma 1966
9. Sidewalk Requiem, Los Angeles, June 5th And 6th
10. Pantheistic Study For Guitar And Large Bird
11. Paxton Quigley’s Had The Course
12. You Need Feet

スポンサーリンク

シェアする

フォローする