トム・ケリー(Vo,G)とデニー・ヘンソン(Vo,G)という2人組ユニットになってからの初作品。(77年発表)
ウエスト・コースト・サウンドをよりソフィスティケイトさせたサウンドは厳しい日差しが続く日々にピッタリの1枚。
Contents
ストーリー
元々はダン・フォーゲルバーグのバック・メンバーという肩書きからスタートして4人組のバンド形態であった。
ウエスト・コースト・サウンドの雄と言えば、ご存知イーグルスが有名だが、彼等フールズ・ゴールドはダン・フォーゲルバーグと共にイーグルスのメンバー(グレン・フライやジョー・ウォルシュ、ドン・フェルダーなど)の協力を得て1stアルバムを制作。
イーグルスの弟分的扱いをされていただけあってカントリー・ポップな印象で、大ヒット曲には恵まれなかったもののイーグルス・ファンを始めとして一定の評価を得る。
サウンドについて
そして、このバンド名義としては2作目を制作。
プロデューサーのキース・オルセンを始め、デヴィッド・フォスター(K)、ビル・チャンプリン(Or)、デヴィッド・ペイチ(K)、マイク・ポーカロ(B)、ジェフ・ポーカロ(Dr)など、TOTO/AIR PLAY一派を揃えて、一気にAOR路線にシフト。
前作よりもカントリー臭さが少し抜けて、垢抜けた印象に。
結果的にこれが功を奏した形になった。
トム・ケリーとデニー・ヘンソンが聴かせてくれるハーモニーは素晴らしく、爽快そのものである。
そのトム・ケリーに至ってはデビュー直後のTOTOで伝説のアゴラ・ライヴにはBGV&Gとして参加しているのが映像で確認出来る。
とにかく、この人のハイ・トーンは”一聴の価値あり”だ。
透明感のあるその声に決して無理はなく、ビル・チャンプリンやトミー・ファンダーバーク(AIR PLAYのヴォーカリスト)とのレイ・ケネディのアルバムにおいての仕事は実に見事であった。
この後、トム・ケリーはハートの全米1位獲得曲「Alone」を創る事になるi-tenを結成する。
やがてソロ活動を経てソング・ライターとしてシンディ・ローパー「True Colors」、マドンナ「Like A Virgin」、ホイットニー・ヒューストン「So Emotional」等に作品提供。
トム・ケリーここにあり、とAORファンに示してくれた。
73点
データ
1977年:アメリカ(Columbia – PC 34828)
プロデューサー:キース・オルセン
1. Sweet Country Air
2. I Can Hear The Whistle Blow
3. Wouldn’t I Love To Love You
4. Runnin’ And Hidin’
5. Fly Away
6. Gypsy Brew
7. Mr. Lucky
8. Where Did Our Love Go Wrong
9. Captain
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